東方のあけぼの

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「王キ外相の暴言」

2020-12-02 09:13:26 | 東アジアの悪友

 政治家か外交官か知らないが、発言の批判には状況や背景が同時に報道される必要がある。日本のマスコミにはこういう常識がない。王キが茂木外務大臣との会談の後の共同記者会見で、尖閣はシナの領土だから、そこに入り込む日本漁船を取り締まるのは当然だと「暴言」したというのだね。

 記者会見だから、記者の質問に答えたのか、それとも彼の最初のコメントで言ったのか。それによって批評の仕方も違ってくる。どうも記者の質問に答えてというふうに感じたがどうだろうか。そうすると、どこの記者がつまり日本の記者か、シナの記者なのか、あるいは第三国の例えば欧州の記者が質問したのか。そうして、その記者はどういう質問をしたのかは少なくとも報道すべきである。シナの記者なら「やらせ」であるし、日本の記者なら「詰問」だろう(希望的観測かな)。また第三国の記者なら単なる「好奇心」であろう。

 それより先に外務省や茂木が共同記者会見を開催したというセンスのなさが指摘される。当然、今回のような成り行きは予測されたわけで、なぜ共同記者会見を開くのか。必要性は全くない。まさか日本側が提案したのではあるまいな。シナ側が要求したのなら断るのが常識だろう。別に外交儀礼に抵触することはあるまい。そして極めつけは茂木がその場で反論をするとか、発言に釘をさすなどの絶対不可欠な対応をしていないことである。

 茂木氏は安部トランプの相合傘の庇護のもとで事務折衝をこなしたというので再任されたようだが、シナ相手の外交の修羅場では幼児のような対応しかできない。あんな記者質問が出るようなら、そうして常識でそれは十分予測可能なのだから、記者会見などすべきではないし、即座に茂木は反応しなければならない。しかも時日がそれ以降たっているのに、茂木は勿論外務省も何ら反応していない。これを見たアメリカ民主党政権はどう思うか。尖閣で本腰を入れて日本に肩入れすることはあるまい。この辺の重大性を認識しているのか。菅首相が外相に対応を指示したということも報道されていない。

 菅首相といえば、あの発言の後王キと会見している。前々から王キが表敬したいと言っていたらしいが、首相は会うべきではなかった。国会での答弁も忙しいときだし、いくらでも口実をつけて拒否できるのに、不快感、抗議の意思も示さずにコロナ流握手の映像をテレビで垂れ流していた。やれやれ、前途多難だぜ。

 


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