報道されている側面はそうなんだろうが、視聴者としては何かが欠けているように感じる。彼女自身の現在の実力。これからの東京オリンピックへ向けての専門家の客観的な予測。これが報道に欠落していることに素人としては疑問を感じる。練習環境が理想的ではないからと言って、はたから見ても筋肉が削げ落ちているのがわかるような状況になるものだろうか。トップ選手ならいくらでも精進する方法はあるのではないか。
宮本武蔵は競争相手がなくなってからも実力を保つ工夫をしたという。すこし大げさなたとえだが、トップアスリートが男子コーチに指導してもらえないから勝てないなどと泣き言を言うものだろうか。年齢からみてもよくてリオがピーク、あるいはもう下り坂に入っているのではないだろうか。この辺の報道、予想がないのが不思議だ。
国民栄誉賞ももらって達成感からくる脱力(心理的)は絶対にあるはずだ。これまでに「パワハラ」というのはあったのだろう。しかしこれまで、それをはねのけて工夫してきたわけだろう。それが急にできなくなる理由があるのか。泣き言にしか聞こえない。マスコミは検討を加えるべきだ。そろそろやめようかなと思ったので、これまでの恨みつらみを、言葉は悪いが「行きがけの駄賃」としてぶちまけようとしたようにも見える。週刊誌などに報道されているが告発者(表向きの)の思惑もあったのであろうが、少なくとも彼女も同意していたことは間違いない。
ところでほぼ同年配の吉田沙保里さんもリオ大会後引退したが、彼女も栄監督に引退を勧められていたという。彼女のほうは母校の中京大学の副学長に就任したという順調ぶりだ。この辺の女性同士の感情のもつれも関係もあるような気がする。とにかく、報道にはもう少しすっきりとしたオールラウンドなそつのない企画をしてもらいたい。
永続して日本選手の世界的レベルを将来的に維持することも指導者の責務である。若い選手へと切れ目なくつないでいくという配慮もあったのではないだろうか。