政府高官が「敵国に攻撃する」などと、しかも防衛庁を預かる人間が発言した。このセイジカは、日本の憲法も知らなければ自衛隊が持つ軍事力の実体も知らないままの、単なる無知の発言である。感情的な反応は、右傾化する日本人、とりわけ安部官房長官を勢いづかせることになった。一般感覚では説明できないような国家の危機を背景に憲法改悪や、自衛軍の設立などがスケジュールに入ってくることも目前である気がする。
もっとも、国際政治は持論を述べるだけで成り立つものではない。こうした発言は、韓国や中国を北側に追いやる効果を生むことになる。北朝鮮を孤立化することが、最も重要なことであるはずである。靖国神社参拝を譲らない、一本気な持論しか通さない政権には無理なことかもしれない。
結果的には、日本より程度の低い国際世論、動向を読みきれない北朝鮮の強硬な姿勢が、日本を救うことになりそうである。自らが孤立の道を選択したのでる。国民を飢えさせながらも、持論を譲らない国家はいつ崩壊するのであろうか。