政府は、「日本はアメリカの同盟国である」と言ってはばからない。60年安保の時なら、日米軍事同盟であると野党は一斉に攻撃したものである。与党もそれを否定するのに躍起になっていた。それが今や、経済発展がいかにアメリカの恩恵を受けているか考えるだけで空恐ろしいが、明けても暮れてもアメリカ、アメリカである。アメリカのテロ叩きは、一昔前のマッカーシー旋風に翻弄されたレッドパージとそっくりである。理屈や事実などどうでも良い「アカ」であるといえばなんでもしょっ引けた、論理は現代ではテロなら何でもできる国になっている。
日本はアメリカの同盟国などではない。イラク戦争がいかに理不尽であったかは、今や明白な事実である。イスラエルのヒズボラ、レバノンへ圧倒的軍事力で攻撃する姿は、軍事作戦よりも市民の殺戮といえる状態である。同盟国なら、こうした状況にやや離れたところからでも忠告するのが本当であろう。ところが、現実はアメリカのやっることなら、なんでも無条件にこれを取り込み容認することのように見える。日本はアメリカの同盟国などではない。単なる属国に成り下がっている。
日本には国家としての、機能も理性も欠如したままである。牛肉の自由化がその典型的な姿である。日本の検査基準をアメリカに要求できない属国に明日があるのであろうか。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照http://www.creatorsworld.net/okai/