BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)の発生のメカニズムは未だ解明されてはいない。18万頭以上発生を見たイギリスででは、肉骨粉が関係していたと疫学的に証明されてる。しかし、他に原因物質はないのか、体内でどのように浸潤するのか、危険部位とされるところにどのようにして到達するのか、結果病理学的なこと以外は何一つ解明されていないのである。脳の病変や異常プリオンの検出などの技術のベルアップとは反対に、発病のメカニズムの究明は未だ混迷状態にある。
そうした中でカナダで7頭目のBSEが確認されました。(http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/06070501.html)どうも、カナダや日本の発生状況を見ると幾つかのグループに分けることができそうである。日本の全頭検査を、非科学的との指摘もあるが、発病のメカニズムも原因の特定もされない現在、唯一できることが全頭検査に他ならない。肉骨粉から異常プリオンが検出されたこともなければ、危険部位以外の正常性も証明されてはいないのである。
食べ物には、それぞれの国の風土に根付いた歴史がある。異なる地域での、食に関する相違はあって当然である。アメリカは危険を顧みるよりも、安い牛肉を沢山食いたいのであろう。今回WTOの事務局長が来日して、農業分野での日本の譲歩を促した。北朝鮮問題にかき消された感があるが、食料自給率を高めると言った政治家はどのような反応をするのであろうか?食料をこれ以上海外に求めるのは、最貧国のテポドン事件より数倍も重要なことなのである。