消費者たちは、今回のアメリカ産牛肉の検査体制が日本と同じとなったことで、安全性が保障されたと溜飲を下げることであろう。安全性は「国産信仰」の神話を残して終わった感がある。先進国の畜産の生産体制が、工業的な加工畜産業であることの本質的な問題は、置き去りにしたままである。諸費者は、いずれ安価なものを求め、このような経緯は忘れることであろう。
先進国の大型畜産業は、穀物を大量に投与される工業的システムになっている。閉塞された空間で、大量の穀物を生理の限界スレスレまで与えられて、玉子も豚肉も牛肉も牛乳さえも生産されている。わが国の家畜用穀物は、関税がかけられることなく安価に輸入され、販売される畜産物は高いのでこのシステムが成り立つのである。
夏のこの時期に、閉塞された空間で搾乳された「北海道牛乳」のパックには、広い牧場で草を食む牛の風景が印刷されている。こうして生産される牛乳は、5%あるであろうか?穀物を多給された「発病試験のような飼養環境」で生産された畜産物の、脂肪は長鎖の脂肪が増え、健康に良くないことが解ってきている。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照。http://www.creatorsworld.net/okai/