サッカーの三浦カズヨシと中田ヒデトシは極めて対照的である。誰が見てもすでに、往年の動きがなく3流選手以下になっている、カズはボロボロになりながらも、F2で球を蹴っている。決して活躍しているなどといおうなお世辞は通用しない。海外にもあちこちっても、すぐにお払い箱になる。 彼がいくつのチームを亘ったか、わからないほどである。それでも彼は、希望するところがあれば行くという。今はモデルや奥さんの収入の方が上回っているようである。これもプロの一つのあり方かもしれないが、惨めと思うのは失礼なことか。
翻って、ヒデは余りのもあっけない引退である。見事としか言いようがない。藤原正彦氏が言う「武士道」精神が、垣間見える。そういえば、昔は大相撲でも、大関から陥落はすなわち引退であったが、今は元大関が何人いるか判らない。栃錦の引退もヒデと重なる。よく言えば信念を貫いているのかもしれないが、自らの可能性を閉ざしているように思えてならない。昨日の、オシムジャパンを見ていると、ヒデはどうしてもこの中には居場所を見つけられないであろう。そう考えると、彼は敏感に時代を察知したのかもしれない。自らの描くものが得られなければ身を引く潔さに、カズの泥臭さが引き立つようではある。