アメリカオバマ次期大統領の評判が高い。期待が大きいと言った方がいいかも知れない。黒人初といっても奴隷の末裔ではなく、混血も複雑で育った環境も純アメリカ的ではない。一般にリ ベラルと言われている、オバマは大丈夫なのだろうか。
若さに任せた、理想を追う姿は評価されていいだろう。例えば、核兵器の廃絶を唱えたり、キューバの非人道的なテロリストのガンタナモ刑務所は閉鎖すると表明している。
リーダシップについても、ブッシュが自分が決定者としたピラミッド型の指導者にはならないようである。いわばサークル型をとって、自らは真ん中にいるというのである。誰とも等距離を保つのであるが、当然対話が欠かせなくなる。選挙を争った共和党のマケインや民主党のヒラリーとの対話にすでにその姿勢がみられる。
中国に対しては対話を呼びかけている。同様に北朝鮮とも話し合いを進めるようである。ここでは、日本の拉致問題は2国間問題として孤立しつつあるが、結局は北朝鮮を国際社会に呼び戻すことになるものと思われる。
ロシアはすでにメドベージェフが、MD(ミサイル防衛)計画の凍結を要請している。アメリカがブッシュの力の政策から脱して対話で、かつての冷戦相手国に存在感を示せるかが問われる。
首席補佐官にはラーム、エマニエルを招へいするようであるが、彼はイスラエルからの移民ユダヤ系である。中東問題がオバマのネックになりかねないと思われる。
内政では、自動車産業の支援の必要性を言っている。それを受けて、自動車業界のビッグ3に民主党が既に250億ドルの支援策法案を提出している。なぜ自動車なのかと、共和党からの反発が始まっている。
まずは、15万人ものイラク撤兵である。1年半でそれができるだろうか。すでに郡部では3~5年必要との声が出ている。
対話を重視するリベラルで知的な国際派の評判をオバマはいつまで維持できるであろうか。興味のあるところである。