そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

筑紫哲也を悼む

2008-11-07 | 政治と金

筑紫哲也が亡くなった。タバコを止めなかったためであろう。彼を知ったのは、朝日ジャーナ01ルを通じてである。都会的で明るく明快な論理を見せてもらったものである。この頃は、時代を創り続けていた感がる。

朝日テレビのキャスターのトップの日、4月1日であるが「ネシー発見」の報道をやった。エイプリルフールのつもりだったようだが、ひんしゅくをかった。3年ほどで辞めてしまった。

毎日系の「ニュース23」ではこれまで培ってきた、人脈を縦横に発揮して政治や財界に限らず、芸能部門からの切り口も少なくなかった。単一の視点からではなく、いわば複眼的にさらには歴史的なところも失うことなく、一味違った切り口をみせてくれた。

新聞記者時代から、沖縄にはこだわり続けていた。政治だけでなく、多くの地元の人たちの声や文化を丁寧に拾っていた。西山記者の密約にはこだわり続けてくれていた。時代が忘 れようとしていたことである。

筑紫哲也は丸谷真男の数少ない市民受講者の一人であった。しかしながら、彼のお人好しか八方美人のためか、強く彼らしい論理を展開する場面が次第に少なくなってきたことに不安を抱いていた。とりわけ、小泉改革以降はぶれていることを自身も感じていたのであろう。

何度か、かつての論理との齟齬を、ホームページに送ったことがある。返答はあるわけではなかったが、メールは残さず目を通しているとの言葉に期待は持っている。そのためででは09あるまいが、彼の生前最後になったサイン入りの本が手元にある。

キャスターを引き受けた時に流行っていたのが、井上陽水の「傘がない」である。これは政治や社会問題よりも、彼女に会いに行くのに傘がないことの方が問題だという歌である。彼はこの歌をニューヨークで聞いて、日本の変化を感じ引き受けたと述懐している。

通常の番組では取り上げることにない、埋もれた歌手や芸術家を金曜日の夜に紹介してくれた。新井栄一もその一人である。社会の底辺からの声である。

政治や経済の広がり、さらには強大な力を持て来ることに不安を持っていたと思われる。芸能や芸術に関心が高かったのは、そうしたことからの逆の視点ではないかと思われる。

彼のように博識で読書好きで芸能を愛するキャスター、ジャーナリストは今後出てこないのではないか。筑紫哲也の冥福を祈りたい。

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自衛隊を標的にする右翼

2008-11-07 | 政治と金

どうもおかしいと思っていた。田母神元航空幕僚長の論文であるが、私が見ても論文としての程度が低いのである。事実誤認などは右翼にとっては知ったことではないが、彼らは自説を述べるのである。内容はともかく文章構成としても、程度の低い論文がなぜ最優秀になったか疑問だった。

答は意外と簡単で、これを募集した人物にある。まずAPAグループと呼ばれる、ホテルなどを建設運営するグループの会長が、元谷外志雄という人物である。この男は、ホームページを戦闘機で飾るほどの戦争好きである。

この男は、阿倍晋三の後援会「安晋会」の副会長である。正真正銘の、右翼であり復古Photo的国粋主義者である。元谷外志雄が自らの信念に沿った論文を募集したのである。

またAPAグループは、耐震偽装問題で業界が揺れに揺れた時に、なぜか生き残り平然と営業をしている唯一の会社である。

元谷外志雄が本を出版した時に、出版記念に田母神俊雄が挨拶に立っている。もちろん国粋主義者の本の出版記念である。

元谷外志雄が募集するのは自由であるが、自衛隊にそれを要請したらしい。少なくとも、航空自衛隊を中心とする自衛隊幹部が、多数応募した。幹部職員が10名その下の準幹部隊員が64名で計74名も応募している。

そんな関係で、航空自衛隊のトップの人物を最優秀作品にしたのである。

自説を唱えるのも構わないが、元谷外志雄という人物は結局は政界に関係を持ち、甘い汁を吸うゴロツキでしかないのである。古くからこの国にある構図である。

田母神だけでなく、阿倍晋三も国会で証人喚問して論文の内容について、意見を聞くべきではないか。

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羅臼港

春誓い羅臼港