そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

罷免すらできない

2008-11-04 | 政治と金

田母神俊雄前航空幕僚長が、先の戦争を正当化する“大本営発表”に沿った内容の論文を書いたことで、彼は定年退職をした。??こんなバカなことがあっていいのか。

報道によると、浜田防衛大臣は辞職勧告をしたそうであるが、この男は全く応じなかった。やむなく降格をしたそうである。ところが、この男はすでに60歳を過ぎていた。降格されると定年になって、おさらばと言うわけである。残った大臣たちは、自分たちに減俸を課すのがせいぜいだった。

軍の統治を政治ができない。いわゆるシビリアンコントロールが利かない状態であると言える。どのような国家でも、大量の兵器を持つ軍は常に戦(いくさ)志向にある。それを、コントロールするのが、政治である。

今回は、罷免もして当然の状況である。部下にそれを拒否されて、通常の退職になってしまい、政府としてのけじめも何もあったものでない。それどころかこの男は、大臣に向かってとうとうと持論を述べたそうである。

記者会見の場でも、誤認識の歴史観を述べている。これくらいのことがいえないようでは北朝鮮と同じだと言うのである。軍が好き勝手放題で国家予算の半分以上を使って、シビリアンコントロールすらないのは、それこそ北朝鮮ではないか。

この男の論文には、歴史的な間違いが山盛りである。あの当時、確かにコミンテル(ソ連)が裏で暗躍はしていたが、蒋介石がそれに乗ることなどあるわけがない。ドイツから武器援助は受けてはいたが、単純な構図であの当時のことを説明できることはできない。

おまけに右翼の口がたつやつを探すこの論文募集に、現職の自衛官が50名も応募していた事実は見逃せない。自衛隊が右傾化し、戦前の大本営の発表を肯定するような思想で満ちていることを物語っている。

他国に派兵して、その正当性を主張することが、侵略された国家にとってどのような感情になるか、軍人には解らないらしい。だからこそ、一般人の監視が必要なのである。

何もかもが矛盾したこの男の言動である。防衛省も、コケにされたままである。僅かな救いは、対応が早かったことで、韓国も中国も大きく取り上げようとはしなかったことである。

コメント (1)
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