そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

わがままな消費者

2008-11-20 | 農業と食

081116左の記事は北海道新瓶の一面の囲み記事である。(クリックすると大きくなります)食料品を買う時には輸入品より、国産品を選ぶ人が89%もいる。自給率の向上についても、93%の人が望んでいる。

なのにどうして、この国の自給率がわずか40%しかないのだろう。40%だから、もうこれ以上下げるのは嫌だというのであろうか。この背景には明らかに、中国などによるギョーザヤメラニンなどを巡る食の問題がある。では、中国がしっかりと日本型の生産体系をとって対応するようになったら、自給率を下げても良いのだろうか。

その一方で、別のアンケートでは食べ物を買う時に最も大きな基準に、価格を上げている。庶民としては当然のことである。海外に食料を依存するのは、単純に価格である。経済原則が今日の、海外依存度を60%まで高めたのである。

海外の食品が安価な理由の多くは、人件費の問題である。日本農業の生産性が低いからではない。

国内自給率を上げるなら、価格については大きな理由にするべきではないがそうもいかない。安全であることと安価であることは多くの場合対峙する。品質もそうである。

食料に限らないが、国家間で検査基準が異なる。食料については食生活が異なるためのことが多い。日本では、主食のお米の残留農薬などの基準が厳しいのは当然である。

日本の農業政策のほとんどが、作付奨励にお金を出し(減反政策はこの逆である)、基盤整備に土木事業をやるというものである。消費者のこうした感覚を尊重するのであれば、価格維持政策を大きく導入するべきである。

農業者に支払うのではなく、消費者価格を維持させるのであるから、消費者にもその恩恵がある。価格維持とは、生産者と消費者にの間に支払われる政策である。わがままな消費者との間を埋めるような農業政策が欲しいものである。

コメント (2)
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