案じていた通りの国会質疑だった。民主党の情けない議員が、田母神に質問する。田母神は、 自説をとうとうと述べる。あ、そうですかと聞くしか能のない民主党議員。
今回の参考人招致は、田母神の独壇場だった。田母神は、自説を展開したいから、論文の内容を聞いてくれととの思惑がありありである。
まんまとそれに乗って、自衛隊全体が右傾化することの危険性や、この男が日本軍国主義教育を自衛隊内で展開していたことの中身など、結局突っ込むこともできない。「何が悪い」と居直りを聞きくだけだけの質疑になんの意味があるのだろう。おまけに、憲法は変えなければならない、集団的自衛権はある、とまで発言させている。
文民統制からすると解任されて当然とは、本人の言い分である。軍部の暴走が始まった感がある。自衛隊には、彼の残した害毒が残っている。国家を正しい方向にもって行くとする軍部のある種のクーデターである。
民主党内にも、彼の言い分に賛同する連中がいる。小沢代表の発言も、この男を任命した政府の責任を追及する程度である。自衛隊の危険な動きには触れようともしない。
この男にはちゃんと、あなたは歴史上の事実に反するばかりか、侵略された側の国家の立場に立ちなさいと教えるべきだったのでないか。戦前の大本営発表を踏襲する恐ろしさ、軍部の暴走が起こした他国だけでない自国民への弾圧、戦争は犯罪であることを教えるべきだったのである。
自民党は、麻生総理が言論の自由を強調するし、多くの議員はこの論文の内容を支持する意見を述べている。元谷は新聞広告を出して、からめ手から田母神を応援する始末である。
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