政府が追加経済対策案を発表した。総額で15兆円を超えるものである。目新しいものもあり、環境分野などにも配慮しているなど、評価できるものも少なからずある。しかし、つぶさに見ると、主体が従来型の公共投資に他ならないことが見え隠れする。
雇用対策や環境対策を大きく掲げるが、公共投資の復活も少なくない。エコカーの普及でCO2を減らしても、不要な公共工事を行うのであれば、帳尻が合うはずがない。公共工事の復活で息を吹き返す、地方も少なくないようであるが、矢張り公共土木事業は有り難い存在である。効果も大きい。
一定の財政出動は仕方ないと思われるが、15兆円はいかにも大きい。農水予算の倍額である。半分以上を、赤字国債で埋め合わせるつもりのようである。財政赤字をどうするかが、ここ何期かの内閣の命題であったはずである。そのために「カイカクカク」と叫んでいた、首相もいた。それをそっくりひっくり返すのである。
見た目のきれい事を並べた対策であるが、財政出動はどこかで帳尻を合わせなければならない。自民党はそれを消費税で行うと宣言している。こうした赤字国債発行とあいまって、後に控える消費税が、2%のGDPの向上をもたらすと期待するするこの対策が、景気浮揚をを圧迫する可能性も懸念されている。
この追加経済対策が、どうしても気になることがある。野党などがかなり前から主張していた内容が少なくないからである。野党のパクリのように見える経済対策は、土木事業の前に置かれお化粧して全面に出されている。自民党が今回の総選挙で多分敗北するであろう。自民党が政権を失った場合、これを推進するのは民主党ということになる。
そしてやがて、財政破綻の懸念が取りざたされるようになり、民主党は政権を失うことになる。政権の座に返り咲いた自民党は、民主党の責任にして消費税を導入することになる。
やっぱり自民党政権でなければ駄目だったといことになる。その結果、民主党が分裂して一部が自民党に流れ、一部が新しい政党を作るなどして、四分五裂してしまう。自民党の長期政権が再度始まる。・・・と、思うのは早計か?
左のフォトアルバム<春先の牧草地に来た動物たち>をアップしました。