ロンドンでオバマアメリカ大統領は、ロシアのメドベージェフ大統領と、核兵器廃絶について話し合った。その後、5日プラハで核兵器のない世界に向けての演説を行った。
注目されることが2点ある。一つはアメリカが「核兵器を使用した唯一の国家であることの責任」を表明したことである。アメリカの大統領や、政府関係者でここまで踏み込んだ発言をしたことがない。核兵器は、冷戦時代の遺産である。数千発持つことが、異常であるとも訴えている。
もう一つが、具体的な取り組みなどを提示したことである。(1)核軍縮 (2)核不拡散体制の強化 (3)核テロの防止である。それぞれに取り組みへの中身を提示もしている。そして、1年以内に核管理サミットの開催を提示すると訴えたのである。
オバマの提案、核廃絶を「理想論」の中に閉じこめるのではなく、人類共通の目標・命題にして具体的な行動や対策を行うべきである。それこそ”We can”と考えるべきなのである。演説の直前に、北朝鮮がミサイルを打ち上げたことにオバマは憤りを露わにした。
オバマ大統領の提案に、真っ先に応えるべきなのは日本である。平和憲法を持つ日本は、9条の精神こそが核廃絶への大きな力になる。唯一の被爆国として、アメリカの同盟国を自負するのであれば、今こそオバマの提案を支持表明するべきである。
ところが、麻生ボッチャマは民主党への反転攻勢でお忙しそうである。それどころか、アル中の中川ボッチャマは、北朝鮮に対抗して核兵器保持の論争をするべきと発言している。まだ酔いが醒めていないようである。
もっとひどいのは、自民党の坂本剛二組織本部長は核保有の考えを表明するべきと発言している。この低レベルで、世界を見ることができず、自国の憲法も理解せず、ヒューマニズムを持ち合わせていない政治家たちが、日本の中枢にいるようでは憲法は死んだも同然である。
今後どのような動きになるかは解らないが、日本こそが提案するべき核廃棄に向けて、今こそ具体的な行動が求められる。こうした平和への訴えこそが、北朝鮮に対抗するべき手段なのである。