そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

派遣社員にも問題がある

2009-04-12 | 政治と金

派遣切りが相変わらず続いているようである。失業者が250万人になるとも言われている。日本の失業者の、6割は雇用保険(失業保険)を受け取っていないそうである。先進国では極端に低い。最も基本的な、セフティーティーネットの恩恵すらあずかっていない人たちが多いことに、驚かされる。

勿論制度上の問題や、社会保険制度の多くの対象にもならない雇用関係が、厳然とおることも事実である。そうして、その被害者というかそうした傘にすら入る機会がなかった人たちは、追い込まれ卑屈な人間になっているようでもある。

養豚業者が、派遣切りにあった人たちを優先的に雇用した。ところが続かないのである。一般の仕事とは明らかに異なるし、生き物相手だからマニュアルがそのまま生きる仕事でもない。第一汚いし、体力も要求される。その日に辞めた人もいれば数日続いた程度が関の山だそうである。

又別の雇用者は、責任を持たせようとすると「私、責任ある仕事嫌いです」と、簡単に辞めたとのことである。

人材が足りない農業や介護へと雇用の場が開かれても、塾度が要求される仕事である。一朝一夕にできるものではない。やる気なりモチベイションが必要である。しかしその結果としての、報酬以外の喜びも少ないない。派遣を長く経験した人たちには、職業に対する粘度すら失われているように思えるのである。

耐えることや、職業への誇りや、やり甲斐が身に沁みることがなかった、派遣社員の雇用方法が問題ではあると思うが、本人にも問題があるのではないか。

高田渡という、2年ほど前に釧路管内の白糠町で亡くなった、虚空のホークシンガーがいる。彼の歌に「空と地面のすき間に暮らす」と、野宿を喝破する詩がある。そうした、ホームレスを突き放すようなおおらかな感覚すら、彼らにはないようである。ひたすら深刻になるだけである。

達成感が求められることもなく、薄給の上に昇級もなく、社会的な評価もない派遣社員は、人の感性さえも疲弊させたことは思うが、本人の覚悟ももっとあってしかるべきではないかと思われる。

コメント (1)
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