ロンドンで開催されていた、金融サミットが共同宣言を採択して閉幕した。現在起きている金融危機は世界経済を混乱に貶めているが、原因についての認識がないままの、共同宣言である。アメリカは、独、仏の銀行への規制を渋々認める形で、ヘッジファンドやタックスヘイブン(税 回避)の規制を認めた。
これはサルコジとメルケルの勢いに押された感がある。オバマは「聞き役に徹することで指導力を発揮する」と、よく解らないことを発言するに至っている。G7が始まった頃には、世界の85%のGDPを占めていた先進国たちの自負は、今回の20カ国集まることで相対的な地位を失いつつあることを気づき始めているようである。カナダやイタリアが中国やインドより世界経済に占める割合は、格段に低い。
金融危機は、国境を越えるファンドがその資金力に物言わせて買い漁ることに、問題があるので ある。ヘッジファンドの多くは無国籍といって良い。実体はアメリカに根を持ちながらも、アメリカはこの規制に難色を持っている。サルコジはこのことを着いたの突いたのである。
共同宣言の核になった5兆ドルの経済支援策も、すでに財政出動やっている金額も含まれることになったり、各国の数値目標すら打ち出せなかった。各国の事情に配慮した形である。
宣言の一部に「貿易の促進」と「保護主義の撤廃」を掲げているが、会議の経過とは明らかに矛盾する。各国の実状を考慮することが、あってはならないと言いながらも、集約した宣言は考慮しているのである。又グローバルな金融体制の整備も必要としながらも、世界の株を買い漁ったファンドは、グローバル金融であるが故に巨大化したのである。はっきりとした、規制内容を盛り込むべきであった。
無国籍ファンドは、石油でも穀物でも買い漁ることで、世界的な経済不安を引き起こした。金融のグローバル化、無国籍化こそが問題なのである。巨大な資本、巨大国家が優先的に利益を得るようなシステムこそ問題なのである。地域経済の充実発展こそ、最も取り組まなければならない課題なので合う。