インド洋上でアメリカ艦船に給油するとテロが減るという、まるで三題話のようなイラク特措法(テロ対策特別措置法)が、本日をもって失効した。とてもめでたいことである。が、そんな暢気なことを言っていてはならない。物忘れが得意な日本人は何もなかったようにやり過ごす。
この法律は、アメリカが9.11対策としてアフガニスタンとイラクに攻め入ったことが「テロ対策」であって、これを小泉内閣がイギリスに次いで容認した。憲法で不戦を誓い9条を持つ国とは思 えないほど迅速に、小泉は陸海空の自衛隊をいち早く派遣した。アメリカ支援のとして、8年間もの間インド洋上で給油し続けていたのである。アメリカ艦船とパキスタンの艦船が対象になっている。
失効したからこれで終わりであってはならない。全く不条理なブッシュの戦争であるが、最も協力的であったイギリスですらこの戦争は、でっち上げた事実に基づく戦争であったこと総括している。アメリカですら、大量破壊兵器もなければアルカイダとの関係もなかったと結論付けている。
政権交代した日本は、いまだにこの戦争の不条理も憲法を踏みにじるような再三の行為についても、何の反省も総括もしていない。現在のアフガニスタンやイラクなどの中東の状況を見る時に、ブッシュが仕掛けたこの戦争で何が解決されたというのであろうか。戦禍を拡大したにすぎない、死者の数を増やしたにすぎないのではないか。
日本はこのイラク特措法で、こうした中東の混乱と戦禍の拡大に協力したことを、せっかく政権交代したのであるからしっかりと反省するべきである。第一給油活動の実態がいまだ公開されていない。さらに、自公政権が進めた給油活動の、テロへの効果を程度を総括してもらいたいものである。イギリスは、独立調査委員会を立ち上げて、参戦した理由とその効果を政府高官の証人喚問や機密文書の公開などを通して行おうとしている。
戦火が拡大した中東は、イラクのマリキ政権はほとんど解決する力がなく、アフガニスタンの会ザイルに至っては汚職とアルカイダの攻撃にあって閣僚すら任命できない状況である。ブッシュの起こした戦禍に事実を洗いざらいさらけ出すことでしか、これからの方針は打ち出せるわけがない。日本は、民主党政権になってもそれすらできないでいる。
左のフォトアルバムに<雪たちの戯れ>をアップしました。ちょっと足しました。