小泉改革のブレインとして、経済学者の竹中平蔵が招かれた。経済担当大臣などを民間人として招へいされたりした。参議院に比例区として当選し議席も持ったが、閣外に出されると政治の世界から去った。去ったが発言は続けている。
この男が、昨年暮れに郵政民営化を目の敵にしている、亀井静香とテレビで対決しているのを見た。竹中は、「郵便局員が配達のついでに、支払い金を受け取ったり郵便物を貰うのは、美談として語られるがあれは服務規程違反だ」と述べていた。この男はつくずく可哀そうな男である。田舎に来て、人々のと営みを体験してみると良かろう。
自治体は合併しなければやっていけないとも述べていた。自治体を金だけで見るから、収支の合うようにしたいから効率の悪い僻地を切り落とすのである。僻地は貧しく税収が少ないうえに、遠いから金がかかる。現実は、合併を拒否した自治体はむしろ元気なことが多い。危機意識が高く、自立心が強くなるからである。自由主義経済学者にはこうした人間の動きが理解できないのであろう。
竹中は大臣時代にも引き下がってからも、「この国には社会的に解決しなければならない貧困は存在しない」と発言し続けている。格差が問題ではなく、貧困が問題なのだ。裕福な層を引き下ろしても貧困はならないとも言っている。徹底した新自由主義者なのである。裕福な人たちがたくさんになれば、国は裕になると言い続けている。人頭税を導入して、収入に関係なく課税するべきと主張している。現実や、人の営みを理解できない人物であることが良く解る。
派遣社員のような必要に応じて切ることができる雇用関係を、企業向けに作り上げた。その一方で兄が社長を務める、ミサワホーム会長から告発を受けている。トヨタにミサワホームを売り渡そうとしたようである。
この男が主導した経済改革は、社会全体での収入やGDPのような金の動きだけで評価する社会を作ってしまった。会社は株主のためにあると、株操作であぶく銭を手に入れるマネーゲーム社会を作ってしまった。竹中平蔵は日本を狂わせてしまった。