チェンジを訴えてアメリカ初の黒人大統領になったバラク・オバマであるが、一年経って理念現実と のかい離ばかりが目立っている。金融危機もイラク・アフガン戦争も出口すら見えない。内政では、医療保険改革はほとんどとん挫した状況にあり、高い評価を与えられるような状況ではない。
オバマの政策を全面的に否定して挑んだマサチューセッツ州補欠選挙で共和党が勝利した。民主党の地盤と言われているところである。失業率の高さが発表される度に記者会見していたオバマではあるが、一向に上向き兆しはない。アメリカ国民がオバマから離れていくように見える。
一つのアメリカや核廃絶などの理念を高く掲げたことが評価されたのは、オバマが実際の行動を起こす前のことであった。ブッシュからの負の遺産を引き継いだことへの同情も、一年程度が容認に限界であろう。オバマは今日2期目はやらないような発言をしている。かなり弱腰のようである。
金融問題では声高にウオール街に、税金泥棒呼ばわりまで言ってのけるほど苛立っている。医療保険制度改革は、どうやら骨抜きの案に落ち着くようである。アフガニスタン戦争は完全に行き詰っているし、イラクではテロが止むこともない。ビン・ラディンが就任当初静観するとしていたオバマに対して、宣戦布告を出した。
中間選挙でオバマは敗北するかもしれない。身動きが取れず一期で終わればなにもチェンジできんかった評価を受ける。政権交代した日本でもやや似たことが起きている。鳩山は先送りしただけで乗り越える時間を過ぎた時に、オバマと同じような八方塞になるのではないだろうか。