世界最大の検索サイトのグーグルが、中国から撤退する。撤退の理由は、極めて強力なハッカ ーを受けていたが、それが中国政府の複数の要人のものであったことで、中国に抗議を入れたが事実無根と拒否された。
中国には、民主化に向けての根強い動きがある。言論の自由を認めない中国政府にとって、これら民主化の反政府活動がインターネットでやられる厄介な問題を抱えていた。民主化運動に加えて、民族問題もインターネットを活用し始めた。こうした背景を持つ中国にとって、何とかしてインターネットを利用した活動を阻止したいのである。
グーグルの関係者は、締め出された携帯電話の問題もあってあっさり撤退を決めた。中国政府は、中国の国内法にのっとって不正サイトの進出を許さないと発表している。グーグルは中国の検閲に抗議の姿勢を変えていない。
世界第2位の経済大国になろうとする中国である。国交のないハイチに震災復興の援助を世界最速で行ったのにも、そうした自負があると思われる。中国が真の大国になるには、民主化の道は避けて通れない。民族問題も同様である。更には、農村部の貧困問題も力で抑えきれるものではない。インターネットという、人間にとって21世紀の最大の武器を中国は国民から奪い、人権を認めない権利はない。