将棋の加藤一二三九段が、野良猫にえさをやっているのが近所の人に咎められて、訴えられた。臭かったり鳴き声などで迷惑しているとのことである。裁判所は、加藤九段に餌遣りを止め、住民に迷惑料204万円を支払えと判決を出した。
加藤九段は、餌遣りを続け上告するようである。野良猫に餌をやるのは動物愛護だというのである。これでは解決にならない。猫が可愛いので餌をやるのは、満足感と野良に対する優越感を感じるのであろう。餌を十分やり続けると、猫は数を増やすことでこれに応じてくる。
一般に動物には、野生動物の他には、人のために生産や愛玩される家畜と実験動物それに、動物園などの展示動物に分けられている。野良猫は人に飼われる家畜としての愛玩動物であったはずである。
飼い主のいなくなった愛玩動物は、存在の目的を失ったといえる。安易に単にかわいいからと飼うことが、大人になったりすると放棄してしまう結果、野良猫になるのである。飼養されない愛玩動物はあり得ない存在と言える。
加藤九段が本当にこの猫たちを思うのであれば、全頭を自宅に取り込み飼育するべきなのである。外で餌をやるのは猫に対する優越感であって、決して動物愛護ではない。外で飼うなら、全頭を捕まえて不妊手術するべきなのである。やがて減ってくるであろう。
それより何よりも、安易に動物を飼うことを諌めるべきである。欧米では、幼児期の犬猫は、展示してはならないことになっている。日本は全く逆で、愛らしいしぐさをする幼児期の犬猫を看板にしている。これが、愛玩動物をパートナーとして飼う思慮もない飼い主を量産することに、つながっているのである。
目先の動物だけのことを考えるのが動物愛護ではない。