宮崎県の口蹄疫の広がりが、止まるところを知らない。すでに23例目となった。殺処分対象は3万頭を超えた。5月に入ってからは、圧倒的に豚の発生が確認されている。先日も指摘したように、この広がりはこれは明らかに初動対策の遅れである。
自民党が対策本部(本部長は総裁・宮腰光寛事務局長)を5月2日に立ち上げた。現場でも民主党の予算切りにあって、十分に対策がとれていないというのである。自民党のパフォーマンスとばかりではないように思える。赤松農水大臣が外遊中だとかいうのもいいがかりような気がするが、どうもしっかり動いていない気はしてならない。宮崎県と畜産関係者だけの対応では、もう限界に達している。
隣の県の鹿児島では、ほとんどのイベントを中止しているがそれもやり過ぎだとかで対応していないようである。これほどの広がりになると、畜産関係者だけの出来ごとに納めてはならない。あらゆる移動を禁止するべきと思われる。
自民党の対策本部の指摘する初動対応の遅れの内容は公表されてはいないが、先に指摘したように、このところの発生をみていると子豚などで発生していた初期の段階を、看過したことが強く示唆されるところである。
その後の対策も、殺処分と検査だけに終始しているようである。現状のスタッフが3万頭もの牛豚を処分するには、相当困難をきたすであろう。早期に自衛隊を依頼するべきだったが、いまだに取り組まれていないようである。
口蹄疫が、人には感染しないことを強調するあまり、ことの大きさを封印した感がある。口蹄疫に関しては自主対策事業があるが、それに載って発生以前に淘汰している農家も沢山いるはずである。自主淘汰を入れると、相当な数になるものと推測される。宮崎県の畜産は壊滅的打撃を被っているであろう。もうすでに、少数である畜産関係者に限定した事件と見なすべきではなく、報道ももう少し大きく取り上げるべきではないか。