5月29日の全国の新聞全てがトップ記事で、鳩山首相の社民党切りを批判した。表現の大小はあるし、視点の位置もかなり違ってはいるが、これほどにも全国の新聞 が一斉に首相を非難することは珍しい。
鳩山首相は何が起きているのかが解っていないのである。彼の言葉を引用すると、まるで「公約を守らなければならない法律があるのか」とでも言いたげである。社民党とは安全保障についての考え方が違うと、ここにきて安全保障の問題を取り上げた。沖縄・普天間に限っては、安全保障問題を持ち出したわけではない。「最低でも県外」は、彼が選んだ言葉である。
閣内もアメリカも沖縄も「よしこれでいこう」とするのが決着だと、できもしないハードルを自ら上げたのも、鳩山首相である。アメリカも儀礼上これで良いとしているが、とても受け入れているとは思えない。要するに3者の全てが「これで行こう」とは言っていないのである。
政権離脱した、福島党首は元気である。筋を通したことは、信条を超えて評価されている。国交省副大臣を辞任した、辻元清美は泣きっぱなしである。外交はともかく、この二人が閣内で行っていたことは十分評価されて然るべきである。道半ばとか中途半端なところでの離脱は無念であったのであろう。
テレビでは、久しぶりに意気軒高な辻本清美を見た。彼女の無念が解らなくもない。鳩山の言うことは解り難いというのではなく、明らかに虚言を連発しているに過ぎない。言葉や態度は柔和に見えても、筋の通らない論理の展開ばかりである。党内外の反発の程度を予測できなかったのも、苦労知らずのボッチャマの発想である。内閣は大きな痛手を民主党離脱で負ったことになる。。
それにしても辺野古周辺への移転は、沖縄各地の反発を見ると不可能な案である。建設への道は尚更遠いと思われる。自民党案に戻っては見たが、自民党がかけてきてた年月以上を費やしても建設されることはないだろう。何時までも沖縄の苦悩が続く。その責任は鳩山にある。
社民党へは小沢が陰からエールを送っている。選挙対策の一環であろう。鳩山は小沢を切れないし、小沢は内閣支持率の低下を気にしている程度ではないか。民主党の混乱は、参議院選挙後まで続く。