民主党管内閣が発足して、一月が経った。この間に、菅首相は自民党案をパクる形で消費税論議を打ち上げ、多くの課題を残したままで国会審議を止め、参議院選挙に打って出た。支持率が高い御祝儀相場の間に、嫌われる大きな二つのことをやって選挙をやろうという魂胆である。
菅首相のかなり無謀な行為は、国民に受け入れられるはずはなく、当然のように内閣支持率が下がった。上は朝日新聞の調査であり、下は読売新聞である。朝日の内閣支持率は60%から39%へと急落している。奇妙なことに、自民党御用新聞の読売の調査では、党首の64%から40%にやや緩やかは下がり方を示している。
上が朝日新聞で、下が読売である。両社の傾向はあまり変わらないとみてよい。問題は政党支持率であるが、民主党がそれほど落としていないのに比べて、自民党が敵失を掬い上げていないことが解る。自民党は、消費税論議で民主党にパクられて有効な攻撃を民主党に加えることができないでいること。バラマキだの発言にずれがあるなどと嫌味を言うのがせいぜいである。更に、自民党から飛び出した、みんなの党やたちあがれや改革ナントカなどに食われているのであろう。
消費税が、10%どころか15%程度まで民主党政権は検討していたことや、選挙後には国民投票法案を検討するなどと、枝野幹事長が発言していることも、それほどマイナスにはなってはいない。
この内容からすると、民主党は菅首相の思惑通り選挙結果が得られるのではないかと思われる。選挙後の政界再編は、居場所のなくなった小沢一郎が何処に秋波を送るかで形が見えてくることになる。