オバマがメンツを潰され居直っている。ロシアのラブロフ外相が、シリアに化学兵器の提出をさせるよう説得する。それでも、アメリカはシリアを攻撃するのかと、オバマの痛いところを突いた。
オバマは、軍事攻撃もじさないとしたから、シリアはロシアの提案を受け入れるのだと、理屈にならない理屈で、いったん決めた軍事作戦を思い止まっている。
盟友のイギリスが議会の反対を受けて、軍事作戦から離脱した。フランス大統領は世論の支持がないために、口では軍事攻撃は選択肢としながらも、躊躇っている。
オバマは元々、ブッシュのイラク攻撃の出鱈目さを非難することで、大統領選を勝ち抜いたのである。今回のシリア攻撃は、僅かに期間限定や空爆にとどめるとしてはいるものの、ブッシュの論理と行動に全く符合する行為である。
アメリカの世論も積極的でない。僅か10年前のイラク攻撃の悪夢が蘇っているのである。
軍事攻撃で、テロが少なくなって世界が平和になったと、ブッシュが何度も発言していたが、現実は全く逆である。軍事攻撃で何が解決できるのかと、議会での質問には全く答えられなかった。
元々外交経験がほとんどなく、核廃絶を無根拠に訴えてノーベル平和賞をかすめ取ったオバマである。プーチンにいいところがない。スノーデンでは全くなすすべもなく、ロシアの軍門に下っている。
そして今回も、ロシアにいいように振り回されている。ロシアと中国が反対する安保理の決議など得られるはずもない現実がある。ロシアの、安保理決議のない軍事攻撃は違法であるとの主張に、オバマは反論できずにいる。
シリアが秘匿する化学兵器とやらを、正直に提出するであろうか? そもそも、シリアの混乱・内戦はブッシュによるイラク、アフガン軍事攻撃が引き起こしたことである。シリア内戦の終結に向けての動きが、オバマの空爆の脅しの前に、霧散してしまった。シリア内戦の終結がまた遠のいた。
シリア国民を考えない、オバマの責任は大きい。いつになればシリア国民は救われるのであろうか?