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これはビークトリミングと言われる処置である。平飼いするときにお互いが突き合わないようにするために、先端を切断するというのである。この写真は、先日開催された鶏のアニマルウェルフェア(家畜福祉)のシンポジュウムで発表されたスライドの一部である。
現在ヨーロッパでは、採卵鶏のバタリーケージでの飼養が禁止されるようになっている。日本もいずれ禁止されるであろう。消費者の方々が口にする卵のほとんどが、バタリーケージで飼われたものである。なぜばたりーケージが禁止されたのかと言えば、ほとんど動くことも羽を伸ばすことも歩くことさえ禁止されて、ただひたすら目の前に来る餌と水を食べて卵を産む、地面から離された中空の檻の中で飼うことが禁止されたのである。鶏が私たちと同様に生命のある動物として、苦しみを与え自由を奪う行為をなくそうというのである。
ビークトリミングは、目の前のトレイに落とされる餌を効率よく食べられるようにするために施される処置、と説明されている。
私は、日本でもバタリーケージが禁止される動きの中、このビークトリミンブもなくなると単純に思っていた。ところが平飼いにするとお互いに突き合うというのである。そのためにこの処置は欠かせないと、こともあろうに、アニマルウェルフェアのシンポジュウムで言われたのである。
その一方で、上記の写真のようなくちばしになる鳥たちも少なからずいるそうである。これを何とかしなければならないというのが、発表者の意見である。
私は牛の獣医師であるが、同時に野鳥の会の長い会員でもある。鳥のくちばしには直接神経があるわけではないが、感覚は十分持っている。鳥たちが開会と接し認識するのは目とくちばしである。エサを探しそして食べる、食事行動はくちばしが機能していなければできない行動である。
上記の写真のように曲がったりひねたりするのは、彼女たち(採卵鶏はすべてメスである)の精いっぱいの抵抗である。
知人の平飼養鶏場では、ニワトリたちが自由に遊べるように密飼にしておらず、くちばしの切断もしておらず、お互いの突き合はたまにある程度ということである。ビークトリミングは必要と、アニマルウェルフェアのシンポジュウムで堂々と言われたのには多少驚かされた、こうした家畜への傷めつけは禁止するべきと会場で発言したが、白けたものになった。