そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

731部隊には獣医師もいて、その多くは帰国後私たちの教師として教壇に立っていた

2017-08-17 | 戦争
NHKが新たな資料を得て、人体実験を行っていた731部隊のドキュメントを放送してくれた。この石井部隊の実態を初めて日本に知らせたのが、ドキュメントプロヂューサー吉川春子である。彼女は昨秋亡くなられたが、「魔の731部隊」として放映された。BSで再放送をしたのでこのことについた私はすぐさま書いた。森村誠一の、731部隊の実態を暴露しベストセラーになった「悪魔の飽食」が出版される15年も前のことである。ところが私のブログに複数の、731部隊の人体実験は中国の作り上げたでっち上げをお前は信じるのかというような内容の書き込みがあった。汚い言葉で書かれていたので削除したが。
日本にはあの戦争の正当性を信じ知恵る人たちが山ほどいる。安倍晋三や稲田朋美を筆頭に、日中戦争やそれに続く太平洋戦争の正当性を主張するのである。稲田に至っては、南京大虐殺をも否定している。
太平洋戦争の終結は東西冷戦の始まりでもあった。東京裁判に対して、ソビエトはハバロスク裁判を行た。旧満州と中国に残された資料を基に行われた、ソビエト主導の裁判である。存在をも否定する人は少なくはないが、今回NHKが裁判の録音レコードを入手した。
因みに、NHKでは全員が死亡したとされているが、吉川氏のドキュメントには当時の”マルタ”の生存者が数人証言している映像もある。
ハバロスク裁判を逃れて日本に戻った医者の、その後の出世振りをNHKは報道していた。私はこの裁判の抄録を見たことがあり、その中には獣医師が数人いたことも確認している。そのほとんどの方は、国立大学の教授になっていたり国立の研究所に奉職されていたり、すでに退官しているかたもいた。彼らが望んだことではなかったかもしれないが、戦争協力を越えた人権に関わる、極めて非人道的なことである。彼らにもその後ろめたさがあったのは疑う余地などない。終戦時に施設を破壊し、資料やデータを破棄したりアメリカに提供を条件に放免されていることが、如実にそれを物語っている。
私が教えていただいた教授の名前もその中にあり、先生は人獣共通伝染病をドクター論文にされていた。実態は不明ではあるが、人間の感染例は人体実験を疑われる内容であった。そのことを知ったのは、彼らの多くが鬼籍に入ってからである。
時間は歴史を風化させ、不都合なものを意図的に消し去り、耳障りの良いもだけを残そうとする。731部隊で繰り返された人体実験がそのよい例であり、私たちは忘れてはならない。
コメント (6)
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