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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

終戦のこの夏NHKはかつてない程見事なドキュメント番組をいくつも放送した

2017-08-21 | 報道
8月17日のブログでも少し触れたが、籾井が去ったためというには少々早い気がするが、この夏のNHKの一連のドキュメンタリー番組は検討したといえる。しかし、相も変わらずニュースは安倍寄りの報道が多かったり、突っ込み不足だったりと褒められたものでもない。
この夏のこれまでのドキュメント番組を並べてみた。
8月5日「告白 満蒙開拓団の女たち」は、ほとんど全員が自決もせず生きて日本に帰った開拓団があった。若い女性をロシア人に差し出したのである。帰国後の村には彼女たちのための無名の碑ひっそりと建っている。悲しい出来事である。
8月6日「原爆死 ヒロシマ72年目の真実」原子爆弾が単に大きな爆弾でなかったこと、アメリカが欲しがっていたのは原爆症の実態であったこと。人の命のことなど考えていなかった。
8月8日アナザーストーリ「オバマ大統領広島へ 世界を変えた日」オバマの他の政策は置くとしても、広島訪問は大きな意味があった。特に被ばく者にとって、一つの節目にはなった。
8月12日「空襲・全記録」66都市2000回の空襲を発掘現場と機密資料で徹底的ン分析している。
8月12日「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」浦上地区には天主堂を抱くキリシタンと、民が住んでいたことを初めて知った。原爆は長崎ではなく浦上に落とされたと言われた所以である。
8月13日「「なぜ日本は焼き尽くされたのか~米空軍幹部が語った“真相”」証言に立ったアメリカ人は全員が”ジャップ”と卑語で日本を呼んでいた。作戦以外のことは考えていない。
8月13日「ただぬくもりが欲しかった 戦争孤児たちの戦後史」何とも哀れな子どもたちか。
8月13日「731部隊の真実」人体実験とエリート医学者の実験の実態と証言をハバロスク裁判の新たな資料を基に、関わった医者たちのその後の出世振りを報道している。今回も私のブログに、そんなことあるはずないとコメントを寄せたのもいる。
8月13日「写真家 船尾修 旧満州への旅」日本が築いた強固な建物の写真を撮り続け、日本が大陸に侵攻した意味を問い続ける。
8月14日「樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇」8月15日はポツダム宣言を受け入れたと天王が国民に公表した日である。ソ連はその後も千島満州樺太に侵攻してきた。この番組で大本営は、樺太司令部にソビエトの南下阻止を命じていた、新たな資料を報じていた。
8月15日「戦慄の記録 インパール」最も無謀と言われた、ビルマからインドのインパールを目指す作戦。ほとんどが作戦中止後の死亡者が多く出たが、その最高責任者は亡くなるまで作戦の正当性を主張していた。
8月17日昭和の選択「“核なき世界”と権力への挑戦~いま石橋湛山を見る~」石橋湛山の、合理的経済論的反戦の姿勢の検証である。
8月19日映像の世紀プレミアム第6集「アジア 自由への戦い」
8月19日「描き続けた”くらし” 戦争中の庶民の記録」は見事である。無言館の絵画もさることながら、この点描は見事に戦時下でも逞しく生きている庶民を描いている。上記の絵がそうである。
8月20日「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」は半ドキュメント番組で、終戦直後の東京を映像化している。無法地帯と駐留軍にすり寄り、巨万の富を築いた人たち、それに地位を気づいた政治家たち。
会長の意向とは別に、番組制作者たちは着々と取材を怠っていなかった。ハバロスク裁判の新たな資料の公開、インパール作戦の無謀さと無神経な指導者、原爆の実態を被ばく者からの資料集めに奔走し被害者に関心がなかったアメリカ、逞しい戦時下の庶民。今後もこうした番組制作を続けて欲しいものである。

コメント (3)
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