
クローズアップ現代に加計学園獣学科の設計図を提供した、黒川敦夫氏が激怒している。7月23日に提供しNHK側からお盆明けに放送するとそれまでの公表を控えていたが、それもなくNHKにも怒りを見せてはいるが、彼の主眼は設計図の中身にある。設計図を公表した黒川氏の勇気に敬意を表したい。
黒川氏の判断によれば、『1、加計学園の建築費は水増しされており約50億円近い補助金詐欺が疑われ、もちろんそれに安倍総理大臣も関与している。2、ライフサイエンスの専門家に意見を求めた結果、現在建築中の施設は素人が設計したようにしか見えず高度なウイルス研究を行うために十分な機能を有していない。これはバイオセーフティ偽装でありこのままでは100%バイオハザードが起きる。』と指摘している。
マスコミでは最上階にワインセラピーのある宴会場が用意されていることを派手に取り上げている。ふざけたことではあるが、これは簡単に治すことも完成後に使用目的を変えることも可能である。ただ、数々の不正と政治的手練手管を重ねてきた、加計学園がそんな殊勝なことをそるとは思えないが、設計上の最大の問題はバイオセーフティーレベル3」の施設である。
私は設計上の専門家ではないが、これは不特定の細菌などを研究するときに外に出ないようにするための施設である。これにはレベルが1~4まで用意されている。加計学園獣医学科のそれはレベル3とされているが、せいぜい2程度であると複数の専門家が指摘している。ある専門家は1程度にも満たないと指摘している。こうした施設で事故が起きると、封じ込めなければならない予防も対策も解っていない細菌やウイルスが、周辺に拡散することになる。危険を越えたとても恐ろしい事態になる。
少なくともこの設計図で、レベル3を認めた専門家はいない。隔離性が不十分であるがかりか、実験動物などの作業の流れを考慮していないなど、素人設計であることも明確になってきている。
加計学園建築坪数9857坪、その建築費192億円と見積もっている。逆算すると建築費の坪単価は150万円となる。このことは、「完全にアウト」と本ブログでも書いたが、通常の倍以上の金額である。多くの国営事業がこのような散漫な内容で、税金を湯水のように使うのである。国家財政の1000兆円の元になっている。アベノミクスはそれに上乗せするが、本事業もその典型と言える。
加計学園の獣医学部の開設は中止するべきである。