辺野古の今は上図のようになっている。もうすっかりあのあたりの珊瑚は土砂の下になって埋まってしまった。安倍晋三はサンゴは移転したと嘘ついたが、この自然のことなど何も考えてない。権力の恐ろしさ、人類の愚かさを思うばかりである。日本政府は中国船の珊瑚盗掘、密猟を非難する資格などない。
ここは長年、日本自然保護協会が沖縄の貴重な海と海辺の自然が残っていると、調査を継続してきたところである。大浦湾は沖縄の海岸で最も開発の手の入っていなかった地域で、生物の多様性の高いところである。この海域からは、262種の絶滅危惧種を含む、5334種もの生物が記録されているところである。
この生物の多様性を生み出してるのは、豊かな珊瑚礁があるだけではなく、マングローブや干潟、浅瀬の海草藻(うむくさも)場、砂泥質の海底など、多様な環境が隣り合っている存在しているからである。辺野古沖の大浦湾は開発で失われた沖縄の海を今に教えてくれる、極めて貴重な自然環境の地域と言える。無機質の土砂によって埋め立てがどんどん進行する現状を見るとただ情けなう思うばかりである。
辺野古ばかりではない。鹿児島の奄美大島から与那国島まで、新たな巨大なミサイル基地がどんどん作られている。これは防衛などではなく、近隣諸国への挑発といえる状況までになっている。中国や北朝鮮に挑発されるなどと、どの顔下げて言うことができるというのであろうか。
辺野古新基地建設が沖縄県民に寄り添うなどと安倍晋三は虚言を吐き、幾度にもわたって示された民意に反する建設埋め立てを強行するのが現実である。こうして反対運動に耳を貸さず、諦念感に陥る国民を横目に、これ幸いとドンドン建設が進んでいる。人々は焼け落ちた首里城に心を痛めている。格好の時機到来である。国民は辺野古基地をもう忘れている。