香港で街頭デモが続いてすでに半年が経過している。きっかけになった容疑者を本国に送るという、思想弾圧の政治的思惑が見え見えの法案は、さすがい撤回はしてはみたが、民主化への思いは若者を過激にさせた。過激になってその極みになったようになったタイミングで、区議会選挙があった。
民主化デモの若者たちは、ここで選挙を伸ばされたらたまらないと、一斉に街頭から引いた。二時間待ちが常態の投票所の若者たちは穏やかに行列を作った。見事な変容である。投票率は71.23%と驚異的高さである。このことだけでも本国に大きな圧力にはなるはずである。デモを行っているのは一部の市民で、デモに参加しない人たちは親中派という中国本土の主張は真っ向から否定されたことになる。
更に投票結果が予測されたとはいえ、驚きである。民主派が385議席、親中派59議席、その他が8議席となった。改選前、民主派の議席は約3割だったが、85%を占めるまでになった。大躍進である。
今回の区議会選挙は、民意を問う選挙となった。85%の議席は圧倒的である。中国本土がこれをどう評価するかわからないが、これでデモも一段落するようだと新たな展開が予想される。しかし、長官選挙が制度上は民主派が選ばれることになるはずであるが、今後注目されることである。
それにしても若者たちの意思表示といいい、投票律といい、日本の若者は多少は見習ってほしいものである。