そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発、消費税、民営化など今日の混迷の元凶である中曽根康弘が亡くなった

2019-11-29 | 民主主義

中曽根康弘氏が亡くなった。101歳であるから大往生であろう。あの時代弱小派閥から自民党総裁になるため、幾度も立ち位置の豹変を繰り返した。大派閥にこびりつくことで存在感を示したため、風見鶏といわれ政権の座を射止めた。風見鶏であった分、各派閥のバランスの中での長期政権となった。
中曽根政権はレーガンやサッチャーが新自由主義を掲げて、反社会主義が鮮明に打ち出された時代でもあった。あらゆる規制が不要なものと撤去が検討された。なんといっても電電公社、専売公社と国鉄の民営化が実行されたことが大きい。親方日の丸といわれた怠惰な経営への警告は理解できなくもなかったが、対労働組合の色彩があまりにも強い。この経過の中で中曽根の戦後総決算は社会党弱体化と解体という、自民党にとって最大の成果が得られた。
しかし、民営化の中でも国鉄の解体は嘘で塗り固めたものであった。国鉄の民営化は分割という地域間格差を容認するものでもあった。下図は自民党の嘘宣伝である。今さえ乗り切れれば何とかなる典型である。鉄路は一本もなくしません、といったことを今こそ言って欲しいものである。
規制緩和と経済効率至上主義の新時給主義的考え方は、地方から若者を奪いい一次産業を圧倒的に脆弱にさせた。食料自給率が一方的に下がるのはこの時期からである。そして地方は疲弊する。
消費税を最初に、売上税として打ち上げたのも中曽根である。売上税が不人気と知るや、道筋をつけて竹下に煮え湯を飲ませている。消費税が導入されるたびに景気が落ち込み、課税の累進性がなくなり格差を広げることになる。生活必需品など一律に導入したことなど、付加価値税とは似て非なる消費税は導入するべきではなかった。
中曽根後、新自由主義的政策、まるで規制はすべて悪であり、アメリカ依存こそ日本の生きる道として長期政権を担うことになった、小泉純一郎と安倍晋三にそれは引き継がれ、派遣社員の圧倒的増加、アメリカ依存から隷属へと暴走するのである。
日本は世界唯一政治主導で原発が導入された国家である。若き中曽根が正力松太郎を盾にして、原発の導入を湯川秀樹など学者の反対を押し切って推進した。今日の日本の惨状を見るまでもなく、原発は非条理な地球上にあってはならない施設である。
死者に鞭打つのは忍びないが、中曽根の犯罪性は枚挙にいとまがない。中曽根が潔癖に見えるのは海軍出身であるからであろうが、「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」の心境が人々に残るのであろう。安倍晋三にはない高潔感が漂よわせているからであろうか。

コメント (1)
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