そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

論議なき世界の日本という閉塞社会

2019-11-04 | 環境保護と循環

国連の「気候行動サミット」で、16歳のスウェーデングレタに高校生グレタ・トゥンベリさんの衝撃的な演説からをした。一月が経った。社会の事何もわからない子供を洗脳してしゃべあせたという、いろんな国の”社会”を熟知している権力の側からの中傷である。
日本はいつのころか、政治について公の場で語ることはご法度となってしまった。60年代の政治抗争の遺産かもしくは、戦後処理に生き残った皇国史観を標榜する側の教育勅語思想であるか。論議を嫌い大人しく従え、黙しろということであるが、体制に従順であれということである。
安倍晋三が総理になって、政治家は自分の言葉を持たなくなった。日本の政治家は、ルビを振ってもらった原稿をなぞって読み上げるだけである。イギリスの国会議員たちが、口角泡を飛ばしながら自分の言葉で語る姿が羨ましい限りである。いやどこの国も同じである。安倍晋三とその一派が特異なのである。
温暖化をまともに受け被害を被るバングラディッシュでは、高校生以下の子供たちが手書きのプラカードを掲げて大きなデモを行っている。国連感動の演説をしたグレタさんはノーベル賞候補の噂は流れたが、北欧5か国の機関である北欧理事会が環境賞を与えると決定したが、「運動にこれ以上賞は必要ない」と570万円の賞金も併せて断っている。
日本の未成年者は発言しない、行動しない。報道も”政治”は外したふりするか、中立を装う。立場を明らかにしようとしない。

地球温暖化は着実に進行している。経済成長と共に多くの人が都会に流れ、土から離れ、食べものに疎くなり、何より季節の移ろいを狭いビルの間の空しか認識のない人々に危機感は薄い。一次産業者の98%は異常気象が進行していると感じている。都会の人たちはこの半分以下だと思われるが、何せ人口が圧倒的に時が多い。あらゆる政策も議員定数も、環境から外された人間の数で決定される。環境問題が積極的な政治課題とならないのは、票につながらないからである。田舎の声など届くことはない。
更には、CO2が温暖化・異常気象の唯一の原因でないと思われるからである。反論も多い。アメリカファーストと経済成長を唯一の命題に掲げるトランプにとって、反論材料を提供するお抱え学者は山ほどいる。トランプのホラは止まらない。
第二次世界大戦終了は、世界に巨大なエネルギーの消費を促した(great acclamation)。温暖化・異常気象を個別の要因に集約するのは実際困難である。この70年は最早地質学的に異様な時代と評価され、人新世(Anthropocene)と呼ばれる異常な現象を地質に大気に起こしている。先進国がいかに富を貯め込んだかというこの70年である。その結果としての、異常気象である事を認識しなければならない。それでも経済優先するのですかという、グレタさんの指摘である。
それでも、この国の為政者どもは過去を踏襲す官僚文を朗読する無能をいつまで曝け出すのか。

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