中米の軍隊を持たない平和憲法の国、永世中立を掲げる国コスタリカ。平和を輸出するくに、コスタリカの元大統領オスカル・アリアス氏は1987年ノーベル平和賞を受賞した。ニカラグア、エルサルバドル、グアテマラの内戦を終結させたことが評価されたのである。
ノーベル平和賞受賞式でアリアス大統領は二日間にわたって演説した。
「平和は平和的手段でのみ達成できる。平和的手段とは対話、理解、寛容、自由そして民主主義だ。中米の将来は中米に任せてほしい。戦争を強いるのではなく、中米地域の努力を支援してほしい。剣ではなく鋤を、槍ではなく釜を援助して欲しい」と演説しているが、これはアメリカの中米介入への批判であり、大国への小国の意思を示したものである。
二日目の演説では名文句が口をついた。「歴史は私たちの夢が実現することを求めている」「歴史はおのずから自由への方向を目指している」「今日、私たちは自らの手に自らの運命を握ることができる」と述べている。
中米に詳しく、「コスタリカ」の著者である伊藤千尋氏の日本へ国際貢献の方法はという質問について答えている。
アリアス氏は「日本は国際貢献という名目で自衛隊を派遣した。どんな美辞麗句を並べても、軍服を着た人間を派遣すれば、必ず現地に人に嫌われる。もっと日本らしい貢献の仕方があるでしょう」とのべた。
それではどんな方法がるかという質問には、
「それは当座のこと必要なことで、それは産業の復興です。カンボジアの農業、日本の農業技術は優れています。しかも日本と同じ水田耕作じゃないですか。農民を派遣して農業技術を教えればいい。そうすればカンボジアの田んぼにたわわなお米が実るでしょう。食べられたら戦争なんかしませんよ」
「最も大切なのはカンボジアの将来です。コスタリカも教育立国ですが、日本は世界がに誇る教育国家です。先生を派遣して授業のや方、学校経営の仕方を教えればいい。そうするとカンボジアの将来が確立します」というのである。
よく聞くと、ペシャワール会の、中村哲さんが繰り返し言っていたことと同じです。現地で活動されている方の思いは変わりません。
コスタリカが軍隊を放棄したのは、日本の憲法を見倣ったからです。コスタリカは、「日本とコスタリカの憲法にノーベル平和賞を」と提案していますし、国連核兵器禁止条約を提案したのもコスタリカである。
日本の被団協が、昨年ノーベル平和賞を受賞しました。その報告に、高齢となった被団協の人達は、昨日石破首相に報告にあがった。核兵器禁止条約に批准を促したが返事はなく、せめてオブザーバーでもと提案したがそれもない。
日本は平和憲法を掲げながら軍事増強に励んでいる。
「コスタリカ」伊藤千尋著 高文研参照
メキシコ湾をアメリカ湾に改名してメキシコを揺さぶる。マナマ運河の支配をアメリカにもどせと脅しをかける。
近年安定していると思われた中米に新たな火種をばら撒くとは愚かを通り越している。