そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

企業は誰のためにあるのか

2007-06-08 | 菅義偉

介護事業の国内最大大手のコムスンが、なにやら不正をやったようで危機に直面している。この会社は、20年ほど前 Photo_125 に北九州で立ち上げられた、地方の善意の介護企業であった。

それを、10年ほど前に「グッドウイル」などという会社が傘下に収めた。と言うと聞こえは良いが、国の補助が途絶えない事業で、儲かるとねらいを付けた買収したのである。この10年で、全国展開をして国内最大の介護企業となった。

当然のことであるが、グッドウイルの企業倫理は「儲け」である。起業時の理念や、現場で働くものや介護を受ける人たちのことは念頭にない。そのために起きた、不祥事でありごまかしである。今回の不祥事も、彼らはコムスンをどこかに売り払えば済むと高をくくっているようである。記者会見もなく弁明もない。

これは国内企業間のことであるが、海外からの買収も盛んである。スティール・パートナーという会社が、日本の「アデランス」を買収に来て失敗したが、今度は「ブルドックソース」にTOB(株式公開買付)をかけている。スティールと言うから盗む(steal)のかと思ったら、元々は鉄鋼会社で鉄(steel)言う意味であった。

55_4企業は誰のためにあるのだろうか。資本の側からばかり語られる傾向が最近とみに強い。そこには、企業が持つ社会的活動や責任、更には働くものの立場、それに地域の実情を鑑みる言葉はない。

日産が、何とかゴーンという辣腕の社長を引っ張ってきたが、職員を大量に首を切って資産の売却をして一時的に黒字にしたが、車を生産する理念には関心がなく、昨年度は業界6位辺りに凋落した。京都の宇治などは、日産の大量解雇のあおりを受けて、お茶などの地域の産業まで打撃を受けている。

農業に対しても、営業利益ばかりを追求することを、この国は強要する。農薬浸けやカロチンの極端に少ない野菜を安く供給されても、消費者は文句など言うべきではない。彼らはこうしなければ、生き残れないのである。企業が利潤の追求だけに明け暮れ、社会的意味を失うことはどういうことか考える時期に来ている。

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