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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

自民党大敗(2)

2017-07-03 08:24:11 | 自民党憲法改正草案を読む
自民党大敗(2)
               自民党憲法改正草案を読む/番外100 (情報の読み方)
 東京都議選について、選挙前議席と比較して、民進党が2議席減らし、その分が共産党に廻ったと書いたところ、フェイスブックで、本田孝義さんから、次の指摘をいただいた。ありがとうございます。

 違うと思います。民進党から11人も都民ファーストに移っていますから、実際は民進党は13議席も減らしています。ですから、民進党惨敗が正しいと思います。

 この民進党の「惨敗」から思うこと。
 これはむしろ民進党にとってよかった。「野党」に徹することができる。
 民進党は一度政権を取ったために「野党」に徹しきれていない。安倍から「反対をするだけでなく代案を出せ」と言われると、おたおたとして「代案」をまとめようとする。
 「代案」は「反対」という意見の中に、すでにある。「反対」のなかにふくまれるものをくみ取って「修正案」をつくるのが「与党」の仕事。
 だいたい「代案」を要求するくせに、安倍自民党は「案」をつくるのに必要な資料を公開しない。各省庁から公開される「情報」はすべて「黒塗り」である。情報・資料は安倍自民党にしか提供されていない。
 だれだったか、情報公開にあたっては、まず与党自民党の了解を得られないとできないと言っていた。各省庁と安倍自民党が政策決定に必要な資料、情報を独占している。
 これでは「野党」に「代案」が作れるはずがない。
 もし作ったとしても、「これこれの部分は、これこれの資料、情報と照らし合わせると実現不可能である。民進党の案は現実を無視している」と否定されるだけである。
 だから、「与党案」のどこに問題があるか、それを指摘し続けることが「野党」の仕事なのである。
 安倍自民党の「案」がどのような問題を含んでいるかを指摘し続ける。そして、安倍自民答案がどのような「資料・情報」をもとに成り立っているか、その「情報公開」を迫り続ける。「案」制作過程に「不正」がおこなわれていないかをチェックする。それが求められている。
 加計学園問題、森友学園問題が顕著な例である。
 なぜ安倍の友人が優遇され、税金がつぎ込まれるのか。その判断の過程で、どういうことがおこなわれたのか。それを追及し続ける。
 こういうとき、「手段」は問わないのだ。問われないのだ。
 「不正」が明確になれば、「不正」をあばく過程(手段)は問題がない。少なくとも、国民は「不正」と「不正を暴く手段」とを比較し、「不正」を暴いた方を正しいと判断する。自分たちの払った税金が無駄につかわれずにすむのだから。
 内閣の人事、あるいは官僚の人事も同じである。
 ほんとうに「適正」な人事なのか。そのことをひたすら追及すればいい。人事の問題点を追及し続ければいい。「代案」など必要がない。「不正」にその地位についている人間をひきずり下ろせばいい。代わりの人事任命権は「野党」にはないのだから。

 民進党には、開き直って、徹底的に安倍自民党を追及してもらいたい。追及の過程で、国民の声を吸収してほしい。国民の声を吸い上げながら、安倍自民党を批判してもらいたい。
 「気取った声」ではなく、町中にあふれている声を拾い上げることが必要だ。
 現行憲法の「戦争放棄」の文言を支えているのは、幣原喜重郎が電車のなかで聞いた男の声である。

「いったい、君はこうまで日本が追い詰められていたのを知っていたのか。なぜ戦争をしなければならなかったのか。おれは政府の発表したものを熱心に読んだが、なぜこんな大きな戦争をしなければならなかったのか、ちっともわからない。戦争は勝った勝ったで敵をひどくたたきつけたとばかり思っていると、何だ、無条件降伏じゃないか。足も腰も立たぬほど負けたんじゃないか。おれたちは知らぬ間に戦争に引き込まれて、知らぬ間に降参する。自分は目隠しをされて場に追い込まれる牛のような目にあわされたのである。けしからぬのは、われわれをだまし討ちにした当局の連中だ」
 初めはどなっていたのが、最後にはオイオイ泣きだした。そうすると、乗っていた群衆がそれに呼応して「そうだ! そうだ!」とわいわい騒ぐ。(略)
 (略)この人が、戦後組閣したとき考えたこと、また憲法草案について相談を受けたときに考えたことは、バンヤンでも、ミルトンでもなく、カント、ルソーでもなく、電車の中で聞いたこの男の声だという。
 そして、あの光景を思い出して「これは何とかして、あの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく、努めなくてはならぬ、と堅く決心したのだった。それで憲法のなかに未来永劫そのような戦争をしないようにし、政治のやり方を変えることにした。つまり戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならぬということは、ほかの人は知らぬが、私だけに関するかぎり前に述べた信念からであった」といっている。

 これは鶴見俊輔の「敗北力」に書かれていることだが、こういう「声」を拾い上げ、組織化するということが民進党に限らず、野党に求められている。
 「代案」を要求する安倍自民党の手口にだまされるな。
 安倍が「こんな人に負けるわけにはいかない」と罵った、「こんな人」、国民の声に身を傾け、そこからことばを組織化してほしいと思う。


#安倍を許さない #憲法改正 #加計学園 #天皇生前退位 #稲田防衛大臣
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載
クリエーター情報なし
ポエムピース

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