詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

空っぽ

2014-12-06 00:34:57 | 
空っぽ

坂と階段をのぼったところにある店で買った古本のなかに絵はがきが挟まっていた。
私がのぼった坂と階段が真昼の短い影といっしょに描かれている。
私に見られたことに気がついていないようだった。
海の匂いのする細い路地を通ってきて、その
坂から階段に変わる場所で立ち止まると、
そこが空っぽの場所だとわかった。
空っぽの空が下りてきた空っぽの場所。
誰と待ち合わせるために古本屋へ行ったのだったか思い出せない。
誰かとの待ち合わせからのがれるために古本屋に行ったのかもしれない。
坂と階段をのぼったところにある店で、と書いたところでことばは終わっている。
私が出そうとした絵はがきなのか、誰かが私に出した絵はがきなのか、と考えてみる。






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