詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

午後四時、

2015-02-24 00:50:42 | 
午後四時、

「午後四時」ということばがそこにあったのは、午後四時ではなく、それよりも前のことであった。ことばはいつでも予感となってあらわれてしまう。「ため息をつく必要がある」ということばは、きのうからテーブルの上に影を落としていた。
「午後四時」ということばの隣には「コップ」ということばがあり、そのなかで「ぬるくなった水」ということばが、ゆっくりと光を反射させている。反抗するように、「生の倦怠」ということばが、水の入ったコップに差し込まれた鉛筆のように「屈折」ということばを引き寄せている。

午後四時。「言おうとしていたことばを先に言われてしまうと、怒り出す癖がある」ということばが階段を上っている。


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