破棄された詩のための注釈20
谷内修三2020年09月12日
彼が、飲みかけのコーヒーを奪うように飲んだとき、ただの白いカップが夏の鮮やかな光を反射し、影が自在に動いた。テーブルの上の積み上げた本にも。そして、開いたノートに書き散らした文字が美しい詩になった。「人間には欠点がある。たとえばふけ頭とか」ということばさえも。
闖入者の予想もしなかった動きによって、あらゆるものがくつがえされ、新しくなった。見慣れていたものが、初めて見るものとして立ち上がってきた。
「真実とは、自分のことばで組み立てた考えのことであって、自己のなかにしか存在しない」ということばをどこに挿入すればいいのか。頭が混乱した。
谷内修三2020年09月12日
彼が、飲みかけのコーヒーを奪うように飲んだとき、ただの白いカップが夏の鮮やかな光を反射し、影が自在に動いた。テーブルの上の積み上げた本にも。そして、開いたノートに書き散らした文字が美しい詩になった。「人間には欠点がある。たとえばふけ頭とか」ということばさえも。
闖入者の予想もしなかった動きによって、あらゆるものがくつがえされ、新しくなった。見慣れていたものが、初めて見るものとして立ち上がってきた。
「真実とは、自分のことばで組み立てた考えのことであって、自己のなかにしか存在しない」ということばをどこに挿入すればいいのか。頭が混乱した。