■박수건달 「結界の男」 2013年 〇〇〇--
(295)
2013年、約390万の観客を動員したヒット作(年間11位)。
△プサン市の荒嶺山展望台で霊媒師になるべきか悩む主人公
プサンを舞台に、神が降りて来て「박수(男霊媒師)」になった男の
周辺で起きる、霊的な出来事を笑いと涙で描くコメディ映画。
△降りて来た神を受け入れ霊媒師になる儀式
主人公の男は標準語を話すが、プサンの任侠組織の幹部。
霊媒師とヤクザの二重生活を送ることになった男は、常人には見えない
死者(霊)が見え、死者(霊)と話もできる。
△主人公の名刺。韓国のヤクザは通常、表の仕事を持っている。
主人公は、我が身に起きた神秘的な現象に戸惑いながらも、死者と
生者をつなぎ、死者を成仏させる役割を果たしていく。
△男には女の母親の霊が憑依している
韓国社会の霊媒師(ムーダン)信仰に関心のある人なら、一見の価値の
ある映画だろう。
■사냥 「殺戮にいたる山岳」 2016年 〇----
(294)
15年前、山奥の炭鉱事故で部下を失った主人公は、部下の娘(実の
父親は主人公の息子)を見守るため、山奥の村で猟をしながら一人
暮らしを続けている。
ある日、娘の祖母が、旧坑道口近くの山で金脈を発見する。
相談を受けた刑事は欲に目がくらみ、仲間の悪党らと共に金脈を
横取りするため、じゃまになった発見者の老女を山で始末し、後を
追って来た娘まで始末しようとする。
事故の慰霊のため、山に入った主人公は、偶然、現場に出くわし、
娘を助けるため悪徳刑事ら一味と決死の銃撃戦を繰り広げる。
詳述はしないが、有名俳優が複数、出演している割に非常に雑な
作りの映画だった。
(終わり)
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韓国映画振興委員会の統計によれば、韓国で観客動員が400万人を
超えた韓国映画は、これまでに83作。
この週末、現在上映中のヒット作(2018年5月公開の「독전<毒戦>」)を
除く全82作の鑑賞を達成した「ヲタク」である。
思い起こせば、「ヲタク」がネット上で鑑賞(無料)できる韓国映画に
ハマったのが昨年の年末だった。
以来、5か月余りの時間が流れたが、その熱が、まさかここまで持続
するとは、「ヲタク」自身、思ってもいなかった。
韓国映画がそれほどまでに魅力的なのか、あるいは「ヲタク」の性格が
人並外れてネチっこい(粘着質な)だけなのか。
正直、判断がつきかねている。
以下、この週末に見た3本の映画だ。
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■타짜 신의 손 「タチャ 神の手」 2014年 〇〇---
(293)
2014年、400万を超える観客を動員したヒット作(年間7位)。
「タチャ イカサマ師」(2006年)の続編だ。
この映画の主人公は、前作で主人公だったイカサマ師の甥。
叔父と同じく花札賭博のイカサマ師になった主人公が、叔父の相棒
だったイカサマ師らに助けられながら、自分と恋人をおとしいれた
悪徳(?)イカサマ師に対する復讐を果たす。
■댄싱퀸 「ダンシング・クィーン」 2012年 〇〇〇--
(292)
2012年、400万を超える観客を動員したヒット作(年間9位)。
全く期待せずに見た映画だったが、実に可笑しく、見ごたえのある
コメディ映画だった。
主人公夫婦の夫は、弁護士ではあるが、庶民相手の小さな仕事しか
していない、うだつの上がらない中年男。しかも、強いプサン方言を
話している。
その彼が、偶然、地下鉄駅のホームから線路に落ちた酔客を助けた
ことをきっかけに、メディアから正義の人権弁護士に祭り上げられて
しまい、あれよあれよという間に野党系政党のソウル市長候補予備選に
出馬するまでなってしまう。
一方、妻は若い頃の夢が忘れられず、夫に秘密のまま、熟女ダンス
ユニット「ダンシング・クイーンズ」のメンバーとして芸能界デビューを
目指す。
彼のライバル陣営は、妻の不倫疑惑まででっち上げながら、「家庭を
うまく治められない」彼に市長選に立候補する資格はないと、予備選
からの辞退を迫る。
しかし、彼は、「妻は夫の所有物ではないし、市長候補の妻である前に
一人の人間だ」と語った上で、さらに釜山アクセントで反論を続ける。
가족을 다스리지 못하면서 어떻게 서울 시민을 다스리겠냐고요?
가족은 말입니더. 가족은 다스려야 할 존재가 아닙니더. 서울
시민도 마찬가지라고 생각합니더. 시민은 다스려야 할 존재가
아니라 함께 손을 잡고 희망을 찾아야 할 우리 가족입니더.
家族を治められないで、どうしてソウル市民を治めることができる
のかって?家族はですね。家族は治めるべき存在ではありません。
ソウル市民だって同じだと思います。市民は治めるべき存在ではなく、
共に手を取り希望をさがさなければならない、私の家族です。
コミカルな展開の中にも、所々に熱い政治的メッセージを込めた、
社会派のコメディ映画であった。
■우리 생애 최고의 순간
「私たちの生涯最高の瞬間」 2008年 〇〇〇--
(291)
2008年、400万を超える観客を動員したヒット作(年間5位)。
オリンピック2連覇(1988年,92年)を達成した後、低迷していた
韓国女子ハンドボールチームが、2004年のアテネ五輪で再び
世界の頂上を争うまでに成長する様子を描いたスポーツドラマ。
チーム強化のため国家代表に呼び戻されたアジュンマ(おばさん)
選手らが、指導者や若手選手らとの葛藤を乗り越えながら、チームを
一つにまとめ、ついには銀メダルを獲得する。
展開がわかっていても、彼女らの「生涯最高の瞬間」には、素直に
感動させられた。
ちなみに、アテネ五輪の決勝、対デンマーク戦で延長戦の末、惜しくも
韓国が敗れた「승부던지기」は、日本では「 7mスローコンテスト」
(サッカーのPK戦に相当)と呼ばれている。
(終わり)