竹島問題が表面化し反日感情が高まっている韓国だが、上流層を
中心に日本製品や日本文化の人気は衰えを知らないようだ。
少々長めの記事だが、韓国日報の関連記事を全文、翻訳練習して
みた。(なお、例によって紙面の都合により韓国語原文の引用は
省いている。)
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■日流에 물든 상류층 "독도는 독도고… "
日本文化に染まった韓国の上流階級、「独島問題とは別・・・」
(韓国日報 8月4日)
・韓日対立が深まる中、上流層は別世界
・日本車、日本製ゴルフクラブなどの高級品、ステータスシンボル化
・独島問題が表面化した6月、ホンダは過去最高の実績
「ナイスショット!」
3日午前8時、京畿道広州市のあるゴルフ場。大手証券会社の
役員Aさん(40)がティーショットを打った後、同行者に話しかけた。
「クラブを日本製にかえたんですが、私にぴったりです。B社長も
かえてみたらどうですか。東洋人の体格には日本製が最高ですよ」
Aさんの話に、一着3、4万円を超える日本製ゴルフウェアを着た
Bさんら3人の同行者が相槌を打った。Aさんらはコースを回り
終えると、レクサスやインフィニティなど日本製の高級車に乗り込み
ゴルフ場を後にした。
現在、韓国と日本は独島(日本名竹島)問題をめぐり国家の
プライドをかけた神経戦を繰り広げている。しかし、韓国の上流層が
暮らしている世界は全くの「別世界」だ。今、彼らの間では日本
製品や日本文化を楽しむ生活スタイルが広がっている。一部には、
日本製品や日本文化を庶民層と自分たちを区別化する「ステータス
シンボル」だと公言してはばからない人たちもいる。
こうした現象は上流社会の接待文化に最も顕著に現れている。
ソウル市内のCホテルにある高級日本料理店の特選さしみ懐石は
1食3万円。夕食としてはあまりに高価な料理だが、この料理を
食べようと思えば、3~4日前には予約しなければならないほどの
人気だという。
料理店の関係者は、「最近、特選さしみ懐石の価格を1万円ほど
値上げしたが、客足は逆に増えている」と語った。また、「以前なら
ワインを好んでいたお客さんのかなりの部分が、今は1本5万円を
超えるような日本酒の愛好家に変身した。日本酒の産地別の
製造方法や味の特徴を知っている人が酒の席では人気だ」とも
語った。
Tシャツ1枚が4万円を超えるような日本製衣類も飛ぶように売れて
いる。ネコが描かれたあるブランドなどが、上流層の間で高級ゴルフ
ウェアとして人気を集めているためだ。ソウル市カンナム(江南)区の
百貨店に日本製衣類を買いに来ていたキム某さん(53、主婦)は、
「この前、ゴルフに行ったら、上流ぶってるような友だちはみんな
このブランドのシャツを着ていたので、私も1枚買おうと思って
来た」と語った。
独島問題が表面化するたびに苦戦してきた日本車販売だが、
今回は全く影響を受けていないようだ。問題が表面化しはじめた
6月、レクサスやホンダ、インフィニティなど日本車の販売は
2289台に達し、輸入車市場でのシェアが初めて40%の大台を
超えた。
輸入車販売業界のある関係者は、「一部には日本製品の不買を
訴える声もあるが、実際の購買層である上流層は何の影響も
受けていない。今の勢いが続けば、今年の日本車販売は過去
最高の実績を上げそうだ」と語っている。
こうした上流社会の日本ブームを、専門家は「差別化」という
キーワードで説明する。慶熙サイバー大学経営学科のイ・ジュンヨプ
教授は、「韓国社会でも画一的な大量生産・大量消費の時代が
終わりを告げたと言える。細かい部分の違いにこだわった日本製品や
日本文化を楽しむことで、韓国の上流層が自分たちを中流以下の
層と差別化していると見ることができる」と分析する。
最近、日本製の高級車を購入したホン某さん(38)は、「独島を
日本領だとか無茶なことを言う日本はきらいだが、自己表現の
一つとして日本車に乗ることは全く別次元の問題だ」と語った。
一方では、こうした上流社会の日本ブームに厳しい目を向けて
いる人もいる。消費者市民連合で相談室長を務めるキム・ジョンジャ
さんは、「最近、日本との交流が活発化し、上流層の間で、同じ
性能の国産品よりもはるかに高価な日本製を好む傾向が生まれて
いるのは事実だ。ただ、日本製品を好む現象が問題だと言うよりも、
上流層の人間が自己顕示欲や見栄のために度を越して贅沢な
消費生活を送っていることの方がもっと大きな問題だ」と指摘した。
(終わり)