■카센타 「カーセンター」 2019年 〇〇〇〇-
(891)
2019年11月に公開されたインディーズ系のブラック
コメディ。
舞台は、慶尚南道の人里離れた国道沿いにポツンと
小さな工場を構えた、車の修理センター。
経営者の夫婦(夫はソウル出身)が、センターの近くで
起きた1件のパンク事故をきっかけに、前もって道路に
先のとがった釘状の金属をはめ込み、通行車両をパンク
させることを思いついた。
目的は、もちろん、センターの近くを通る車を
パンクさせ、商売を繁盛させるため。
まるでクモが巣を張って獲物をねらうような、この
もくろみが図に当たり、センターは繁盛し始める。
しかし、町のボス的なヤクザな男が、夫婦の犯罪に
気づく。
妻は、自分に気のある男に体を提供することで、
男の口を封じ、この商売を続けようとしたが、
2人の関係に気づいた夫は苦悶する。
そして最後に、夫が工事現場から盗んだコンクリート
ミキサー車を運転し、修理センター目がけて突進する
シーンで映画は終わる。
なかなか見ごたえのある映画だった。
△慶南泗川警察署(映画より)
ところで、この映画の舞台になった町が、慶尚南道の
サチョン(泗川)だった。
△コネスト韓国地図より
今となっては断片的な記憶しか残っていないが、
「ヲタク」が学生時代(1980年代)に、2、3度
訪ねたことのある町だ。
その海辺の町は、「ヲタク」が関釜フェリーで
知り合った在日韓国人男性の亡父の故郷だった。
「ヲタク」は誘われるまま、空き家になっていた
男性の亡父の実家に泊めてもらいながら、彼の
用事について回ったり、海岸でいっしょに釣った
ハゼ(망둥어)を肴にお酒を飲んだりした。
そうした関係もあり、個人的に様々な記憶や
感慨を呼び起こしてくれた映画であった。
(終わり)
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