BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 第1巻 感想: 「妖術師(ソーサラー)」という新たな敵への対抗から「霊子(プシオン)」の謎に迫っていくのがきっと物語の大きなテーマに違いない!

2020-10-13 00:32:45 | さすおに
先月、完結したと思ったら、その1月後には新シリーズが始まった「お兄様」の物語。

新章はどんな立ち上がりを見せるのだろうか?

ということで、とりあえずスペースあけときます。

























とにかく、達也が「お兄様」からすっかり「閣下」になってしまった!w

副題にある通り「魔法科高校の劣等生」の続編である「メイジアン・カンパニー」の1巻。

予想していた通り、新シリーズとしてリセットするにあたり、前シリーズがほうぼうに散らかしてきたネタや秘密やキャラをシャッフルして使い勝手のいい形に整形し直すところか始まった、という感じ。

その受け皿というか、枠組みが、達也がつくった「メイジアン・カンパニー」という組織、ということだね。

簡単にいえば、読者の人気度の高い(主には女性)キャラを中心に、達也の周りに自由に配置させるための装置がメイジアン・カンパニー。

大学と違って、達也のつくる組織だから、その構成員は達也の好き勝手にできるので、多分、『劣等生』の最後の方、特に3年生のときにように、もはや高校や大学という公式の場所に拘泥する必要はなくなる。

簡単に言えば、「司波達也組」の立ち上げね。

で、そこは達也の城なので、もう達也の存在は完全に「閣下!」w

なにしろ、上は、USNAやイギリス、あるいは、インド・ペルシャ連合といった、各国政府の重鎮とホットラインを築きながら、その脇で、四葉の当主・真夜の庇護、さらには四葉のスポンサーである(未来の)日本のディープステイトたる元老院の大御所からも支援を得ているのだからw

もはやすっかりジジ殺しの若手のやり手起業家!、という感じ。

なんか、このあたりは、マジでIT起業家万歳!だった頃のゼロ年代テイスト。

なので、途中で、達也がルルーシュに見えてしまったよw


で、そうして、自分の城を築いたところで、まわりは、達也のハーレム結成、ということで。

深雪、リーナ、藤林響子、七草真由美、黒羽亜夜子、の5人が、とりあえず、達也のつくった会社に集っているということで。

ていうか、この5人だと、マジで前シリーズの人気女性をとりあえずかき集めました、って感じで。

とはいえ、この5人の中では真由美は、完全にイロモノ担当になっているけどw

それでも出させてもらえるだけよかった!って感じなんだろうな、真由美ファンからしたら。

で、肝心の物語の方は、メイジアン・カンパニーの稼働に伴い、恒星炉技術の基幹技術である人工レリックに対する産業スパイの侵入、という、今までの「お兄様」の物語のレベルからすればえらくこじんまりとした、いわばコソ泥事件がメインだったわけだけど、

そのコソ泥事件を通じて、深雪、リーナ、響子、真由美、亜夜子、の5人の能力がどんなのだったか、一通り、復習する回だった、って感じ。

で、この産業スパイ事件を通じて、一応、当座の達也の敵になるFAIRというテロ組織!が最後に登場したところで、次回に続く。

そういう意味では、今回登場した新キャラの遠上遼介は、こうした新組織を紹介するための媒介役だった、ということかな。

この先、彼の大本の雇い主で、FEHRという組織の長であるレナ・フェールとの接点ということで、遠上はまだ出てきそうな気はするけれど、どうなんだろう?

とりあえず、遠上はレナに心酔しているから、真由美とコンビを組まされても、特に真由美になびく、ということもなさそうだし。

むしろ、司波達也閣下ハーレムのそばにある男性だけど、そのハーレム要員の女性たちと無駄な色恋沙汰が起こらないようにするために、この遠山をおいたようにも思えるけど。

一応、作者の思惑としては、遠山は達也に続く第2の主人公になる、ということのようだけど。

ちなみに、第3の主人公は光宣らしいw

にしても、3人主人公システムって、それ、完全に『禁書目録』じゃん!大丈夫なの?


もっとも、真由美がこんな近くに、しかも「司馬専務!」とかいいながら甲斐甲斐しく達也の支持に従うような立場になってしまった以上、次巻以降、十文字や摩利が出てくるのは必至なんだろうな。

むしろ、今回、ほのかと雫を除いて、レオやエリカ、幹比古が登場しなかったのは意外だった

彼らは彼らでこの先、登場するのだろうけど、しかし、逆に、今の達也の目的とは接点がつくりにくいから、登場させるにも、もう少し仕掛けが必要なのかもね。


でも、とにかく、今回一番笑えたのは、光宣と水波の扱い

もう、あれ、黒羽姉弟と同じくらい、完全に達也の信奉者じゃんw

しかも、衛星軌道上から地球の動向を探るという、超隠密の役割!

正直に言えば、

パラサイトとなった光宣と水波の住む衛星軌道上の施設「高千穂」は、何だか衛星軌道上から地球の事件を監視する点でサンダーバード5号みたいだなとか、

その「高千穂」から擬似瞬間移動で地上と行き来できる(ようになる)のって、映画のスタートレックの転送ビームみたいじゃん!

と思っていたら、作者あとがきで、全く同じことが書いてあって、さすがに苦笑いw

もっとも作者のいうスタートレックは、オリジナルのテレビシリーズのことだったけどねw

ということで、この先、「高千穂」は便利に使われるのだろうな。


で、新たな敵となるのが、魔法師ならぬ妖術師(ソーサラー)!

一応、作中では、今までも登場した生まれながらの魔法師であるBS魔法師の延長線上に捉えられるような「未知の術者」として置かれているみたいだけど。

でも、もとをたどれば、「来訪者編」で登場した吸血鬼のような謎の存在を「パラノーマル・パラサイト」から「パラサイト」と名付けたのが、古式魔法の使い手であった幹比古であったように、まだまだ達也の世界には「魔法工学」では解明できない謎がたくさんあるということで。

今回、響子が真夜から「本命の研究課題」として与えられていた「情報ネットワークの研究」というのとあわせて、マジで「パラサイト」という現象の根幹である、謎因子の霊子(プシオン)の探求に向かうのだろうな。

で、その過程で副産物的に、多分、光宣と水波をパラサイトから人間に戻す手段も見つかる、という感じで。

あ、そうか、きっと妖術師まわりの探求のために、達也が、古式魔法の知識を求めて幹比古や八雲師匠との接点を復活させる、って感じだな、きっと。

幹比古が出てくれば美月も多分、ついてくるし。

そもそも「メイジアン」という戦闘魔法師適性を持つ以外の魔法特性をもつ人間という点では、美月なんてメイジアンの筆頭のような存在だし。

自らレスキュー隊員の道を選んだレオとか、広い意味でメイジアンの可能性を開いていっているわけだしね。

そういう意味では、レオとエリカのドイツ魔法師ネタにも広がるといいなぁと。


とまれ、仕切り直しの『メイジアン・カンパニー』の第1巻は、こんな具合に、新たな物語環境の設定の紹介で終わってしまったので、とりあえず、次巻での物語の方向性のより具体的な提示に期待?かな。

要するに、『魔法科高校の劣等生』で不完全燃焼のまま終わったネタをあれこれ回収していくというのが『メイジアン・カンパニー』の基本戦略。

そういう意味では楽しそうではあるのだが。

にしても、リーナが、達也と深雪に対するツッコミ役になるとはねーw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする