前の15巻が出てから実に1年半近く待って出た16巻。
13巻と14巻で決行された深層の大冒険があまりにもハードだったので、なんだかポカーンとするような内容の15巻だったのだけど、はたして、この16巻はどうなるのか?
ということで、とりあえずスペース、空けときます。
(16巻の感想2、感想3、感想4も書きました)。
,
いやー、とうとう、そのネタに来ましたか。
ずっと悩まされつづけていたシルとフレイア様の関係。
とはいえ、この間にでていた、ファミリアのクロニクルのフレイヤ編で、その片鱗は示されていたのだけど。
で、結局、大枠は、このフレイヤ編の感想で思っていた通りのものだった。
要するに、シルがフレイヤであった。
この16巻の書かれ方で言えば、フレイヤ編の最後で登場した街娘のシルは、フレイヤに自分の「シル」という真名を与え、代わりにフレイヤはその娘に「ヘルン」という「神名」を与えた、ということ。
だから、正確に言えば、フレイヤ様は、シルという名とそのシルという名を持つ人間の姿を手に入れた、ということね。
要は、ベルくんが会って以後のシルは、ずっとフレイヤが姿を変えたものだった、ということ。
つまり、ベルくんやリューさんは、ずっとシルに化けたフレイヤと親交を深めていた、ということ。
一方、フレイヤに真名を与える代わりに女神ヘルンになった元シルは、眷属のひとりとして他の神様たちに姿を見せると、本巻のヘスティアのように、人間でも神でもない「神もどき」として認識されてしまうため、表に出ることはなく、ずっとフレイヤの侍従頭として控えていたことになる。
まぁ、だから、元シルのヘルンは、女神もどきの存在で、フレイヤとは全くの別物だった。
いや、なんでこんなクドクド書いているかというと、フレイヤ編を読んだ時、元シルとフレイヤが、魂&身体をそっくり入れ替えたと思っていたので、自分を納得させるためなんだけどね。
繰り返しになるけど、要するに、シルはフレイヤであり、フレイヤはシルだった。
シルの格好をしたフレイヤが、ベルくんにお弁当をつくってあげたり、街中で倒れていたリューさんを助けてあげていた、ということ。
だから、リューさんが日頃、一緒に買い物に出かけていた時のシルも、フレイヤだったということ。
あるいは、ベルくんがファイヤーボルトを得ることができた魔法書をわたしたのも、シルの姿になったフレイヤだった、ということ。
「豊饒の女主人」でウェイトレスをしていたシルもフレイヤだった、ということ。
まぁ、なんで、そんなことをフレイヤがしたがったのか、その事情を知りたかったら、ファミリアクロニクルのフレイヤ編を読むべきだけど。
でも、多分、一人の「人間」の姿で、下界を生きてみたかった、というのがあるのだろうね。
なぜなら、フレイヤの最大の問題は「魅了」の権能によって、相手の自由意志を事実上、奪ってしまうので、結果として、相手が自分の意志でフレイヤのことを好いてくれる相手を見つけるのが著しく困難だから。
たしか、オッタルやアレンのような眷属たちには「魅了」の権能を自ら封じていたはずだから。
というわけで、だから、本巻の冒頭で、ベルに女神祭でのデートを申し込んだシルは、つまりはフレイヤだった、ということ。
だから、オッタルたちは、大慌てでシル=フレイヤの警護につくことになった。
まぁ、このあたりのフレイヤ・ファミリアの混乱ぶりは、直接、本巻を読んでみて。
あと、本巻の前半は、とにかくヘディン師匠wにデート道を仕込まれたベルくんの奮闘記になっているので、そちらも直接読んでみて。
どちらも、とにかく面白くてバカバカしいのでw
実際、前半はもう、ほとんどがシルとベルくんのデート編で、いろいろな意味で、ひたすら笑い悶えるwところばかりで、実に楽しいから。
それが、後半、一転して不穏なものになって、フレイヤ・ファミリアの幹部たちがマジヤバイ奴らだということが執拗に描かれる。
・・・なのだけど、本巻のポイントは、どこまでいっても、シルとフレイヤ、そして、シルに化けたヘルンの入れ替わり、のところにある。
あと、いろいろな意味で、叙述トリックも多いので、これ、映像化するのは難しそうだな、と感じた。
ちょっとややこしいのは、ヘルンは、フレイヤによって女神にしてもらう際に、どうやらフレイヤと感覚を共有することになったようで、その結果、フレイヤ=シルが、ベルくんに惹かれているさまも同時体験してしまったようなのだけどね。
このあたりの成り代わりについては、まだちょっと混乱しているので、あとで書き足すかもしれない。
で、最終的に、今回のポイントは、ベルくんは、結局、シル=フレイヤに、好きと言われてもその気持を受け止めることはなかった。
それほどまでに、アイズへの憧憬が強かった、ということで。
このあたりは、以前、イシュタル戦のときに、イシュタルの魅了の権能がベルくんには通じないところでもすでに明らかにされていたけど。
で、結局、フレイヤが最後に選ぶのは、シルの姿で、つまり人間の愛をもって「好き」といってもベルくんがなびいてくれないなら、ここから先は、フレイヤとして、フレイヤ・ファミリアの力を総動員して、ベルくんを、ヘスティアやアイズやリューたちから「奪う」ことだった。
ということで、次巻では、多分、フレイヤ・ファミリアが、ベルくん強奪作戦を強行する、ということで。
多分、そこで、この16巻のシルとフレイヤ、あるいはヘルンも含めた関係についての説明もなされるのじゃないかな、と思っている。
要するに、しばらくは、フレイヤのベルくんに対する「略奪愛」が物語の肝になる、ということだね。
とはいえ、今回、あまりに、シル=フレイヤの話が強烈過ぎて、他の人たちの話がいろいろと放置されたままだったけど、
リューさんのベルくんに対する気持ちとか、
アイズのベルくんに対する気持ちとか、
アレンとアーニャの兄妹関係の掘り下げ?とか、
今後の物語の展開上、フックになるようなネタがだいぶまかれているので、それはそれで、今後、回収なり発展なりされていくのだろうな、と思ってる。
ということで、早く17巻をお願いします!
作者も、間をおかずに17巻を出したかったみたいだけどね。
でも、今回は、終わってみれば、遂に「フレイヤ立つ!」という物語の超・序章だったので、続きを読まないことには、本巻の評価もイマイチ確定しないように思っている。
なので、17巻はなる早で!
(感想2、感想3、感想4へ)
13巻と14巻で決行された深層の大冒険があまりにもハードだったので、なんだかポカーンとするような内容の15巻だったのだけど、はたして、この16巻はどうなるのか?
ということで、とりあえずスペース、空けときます。
(16巻の感想2、感想3、感想4も書きました)。
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いやー、とうとう、そのネタに来ましたか。
ずっと悩まされつづけていたシルとフレイア様の関係。
とはいえ、この間にでていた、ファミリアのクロニクルのフレイヤ編で、その片鱗は示されていたのだけど。
で、結局、大枠は、このフレイヤ編の感想で思っていた通りのものだった。
要するに、シルがフレイヤであった。
この16巻の書かれ方で言えば、フレイヤ編の最後で登場した街娘のシルは、フレイヤに自分の「シル」という真名を与え、代わりにフレイヤはその娘に「ヘルン」という「神名」を与えた、ということ。
だから、正確に言えば、フレイヤ様は、シルという名とそのシルという名を持つ人間の姿を手に入れた、ということね。
要は、ベルくんが会って以後のシルは、ずっとフレイヤが姿を変えたものだった、ということ。
つまり、ベルくんやリューさんは、ずっとシルに化けたフレイヤと親交を深めていた、ということ。
一方、フレイヤに真名を与える代わりに女神ヘルンになった元シルは、眷属のひとりとして他の神様たちに姿を見せると、本巻のヘスティアのように、人間でも神でもない「神もどき」として認識されてしまうため、表に出ることはなく、ずっとフレイヤの侍従頭として控えていたことになる。
まぁ、だから、元シルのヘルンは、女神もどきの存在で、フレイヤとは全くの別物だった。
いや、なんでこんなクドクド書いているかというと、フレイヤ編を読んだ時、元シルとフレイヤが、魂&身体をそっくり入れ替えたと思っていたので、自分を納得させるためなんだけどね。
繰り返しになるけど、要するに、シルはフレイヤであり、フレイヤはシルだった。
シルの格好をしたフレイヤが、ベルくんにお弁当をつくってあげたり、街中で倒れていたリューさんを助けてあげていた、ということ。
だから、リューさんが日頃、一緒に買い物に出かけていた時のシルも、フレイヤだったということ。
あるいは、ベルくんがファイヤーボルトを得ることができた魔法書をわたしたのも、シルの姿になったフレイヤだった、ということ。
「豊饒の女主人」でウェイトレスをしていたシルもフレイヤだった、ということ。
まぁ、なんで、そんなことをフレイヤがしたがったのか、その事情を知りたかったら、ファミリアクロニクルのフレイヤ編を読むべきだけど。
でも、多分、一人の「人間」の姿で、下界を生きてみたかった、というのがあるのだろうね。
なぜなら、フレイヤの最大の問題は「魅了」の権能によって、相手の自由意志を事実上、奪ってしまうので、結果として、相手が自分の意志でフレイヤのことを好いてくれる相手を見つけるのが著しく困難だから。
たしか、オッタルやアレンのような眷属たちには「魅了」の権能を自ら封じていたはずだから。
というわけで、だから、本巻の冒頭で、ベルに女神祭でのデートを申し込んだシルは、つまりはフレイヤだった、ということ。
だから、オッタルたちは、大慌てでシル=フレイヤの警護につくことになった。
まぁ、このあたりのフレイヤ・ファミリアの混乱ぶりは、直接、本巻を読んでみて。
あと、本巻の前半は、とにかくヘディン師匠wにデート道を仕込まれたベルくんの奮闘記になっているので、そちらも直接読んでみて。
どちらも、とにかく面白くてバカバカしいのでw
実際、前半はもう、ほとんどがシルとベルくんのデート編で、いろいろな意味で、ひたすら笑い悶えるwところばかりで、実に楽しいから。
それが、後半、一転して不穏なものになって、フレイヤ・ファミリアの幹部たちがマジヤバイ奴らだということが執拗に描かれる。
・・・なのだけど、本巻のポイントは、どこまでいっても、シルとフレイヤ、そして、シルに化けたヘルンの入れ替わり、のところにある。
あと、いろいろな意味で、叙述トリックも多いので、これ、映像化するのは難しそうだな、と感じた。
ちょっとややこしいのは、ヘルンは、フレイヤによって女神にしてもらう際に、どうやらフレイヤと感覚を共有することになったようで、その結果、フレイヤ=シルが、ベルくんに惹かれているさまも同時体験してしまったようなのだけどね。
このあたりの成り代わりについては、まだちょっと混乱しているので、あとで書き足すかもしれない。
で、最終的に、今回のポイントは、ベルくんは、結局、シル=フレイヤに、好きと言われてもその気持を受け止めることはなかった。
それほどまでに、アイズへの憧憬が強かった、ということで。
このあたりは、以前、イシュタル戦のときに、イシュタルの魅了の権能がベルくんには通じないところでもすでに明らかにされていたけど。
で、結局、フレイヤが最後に選ぶのは、シルの姿で、つまり人間の愛をもって「好き」といってもベルくんがなびいてくれないなら、ここから先は、フレイヤとして、フレイヤ・ファミリアの力を総動員して、ベルくんを、ヘスティアやアイズやリューたちから「奪う」ことだった。
ということで、次巻では、多分、フレイヤ・ファミリアが、ベルくん強奪作戦を強行する、ということで。
多分、そこで、この16巻のシルとフレイヤ、あるいはヘルンも含めた関係についての説明もなされるのじゃないかな、と思っている。
要するに、しばらくは、フレイヤのベルくんに対する「略奪愛」が物語の肝になる、ということだね。
とはいえ、今回、あまりに、シル=フレイヤの話が強烈過ぎて、他の人たちの話がいろいろと放置されたままだったけど、
リューさんのベルくんに対する気持ちとか、
アイズのベルくんに対する気持ちとか、
アレンとアーニャの兄妹関係の掘り下げ?とか、
今後の物語の展開上、フックになるようなネタがだいぶまかれているので、それはそれで、今後、回収なり発展なりされていくのだろうな、と思ってる。
ということで、早く17巻をお願いします!
作者も、間をおかずに17巻を出したかったみたいだけどね。
でも、今回は、終わってみれば、遂に「フレイヤ立つ!」という物語の超・序章だったので、続きを読まないことには、本巻の評価もイマイチ確定しないように思っている。
なので、17巻はなる早で!
(感想2、感想3、感想4へ)