BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第4話 『みえない地雷』 感想: スレッタとエアリアルが特別な関係にあることを暗示したエピソードだったなw

2022-10-23 18:56:05 | 水星の魔女
地味といえば地味だった第4話。

でも、アクションなしで、こういう物語世界の社会状況を描く回も必要だからね。

とりあえず、アーシアンがスペーシアンに虐げられている構図があるのはわかった。

そこに水星がどう絡むかだけど。

少なくともスレッタが地球寮に加わった、ってことは、アーシアンと同じ位置に水星も置かれる、という位置づけでいいんだろうな。

ていうか、逆にスペーシアンの拠点ってどこなんだろう?

おいおい説明されるのかな。


にしても、さすがの大河内一楼。

冒頭の短いAパートで、前回の引きのグエルくん告白事件wを一瞬で処理しきったw

なんかこのリズム、ギアスを思い出させるような瞬殺的処分で笑える。

とりあえず、グエルは、スレッタに対する告白を、自分自身でチャラにしたみたいだけど、あれ、どう見ても、ただのツンデレ王子にしか見えないので、この先、どういうタイミングで、グレルがスレッタに手を指しのべるのか、気になる。

まぁ、それも含めての、スレッタの周りをうろつくエレンなんだろうけどw


しかし、今回の地雷突破試験の様子を見ると、やっぱりエアリアルって、スレッタに完全カスタマイズされた機体であることが明らかさにされた気がする。

というか、エアリアルは、事実上、スレッタの身体の一部のようなものなのだろうね。

操縦系の基本コンセプト自体が全く異なるのだろうね。

いまどきの各種情報サポート付きのオートマしか乗ったことがない人が、いきなりただのマニュアル車に乗れ、という感じかね。

とにかく、今回の描写を通じて、エアリアルとスレッタの特別な関係性が逆に際立った気がする。

そういう意味で、この地雷試験、地味だけど、もりだくさんだな。

結果、スレッタは地球寮の面々と関わることになったし、

きっと、ミオリネも、あれだけ地球に行きたい行きたいと言ってるのだから、スレッタ経由で絶対関係するようになるだろうし。

グエルのこともあってスレッタを独占したいミオリネが自分からスレッタのサポート役のポジションを占めるようになったし、

その過程で、スレッタが学園に来た理由が、いつか水星に学校をつくりたいから、という動機も分かったしw

正直、え? それって、さすがにラブライブすぎじゃね? って思って呆れたけどね。

でも、そういう個人的な譲れない動機がないと、頑張れないのが今の時代、ってことだよね。

イデオロギーなんて皆無で、日常の維持が唯一の動機の源。

そういう意味では、アーシアンの窮状をどう本編に組み込むかは、大河内の腕の見せどころ。

下手すると、ただの巨大な労働争議に終って、鉄血の二の舞いになる。

まぁ、スレッタママンの陰謀がそこで絡んでくるのだろうけど。


にしても、ママンはひどいなぁ。

スレッタの、水星で学校を作りたいという夢を利用して、自分のコマとしてスレッタを学園に送り込むのだから。

うーん、やっぱり、これ、スレッタは、プロローグに出てきたエリーじゃなくて、そのクローンだったりするのかな?

さすがに実の娘を復讐のための刺客に使ったりしないよね?

『水星の魔女』の面白さについてちょっと書いてみたように、もしも、スレッタがママン、というかプロスペラの手によるマシンチャイルドだったとしたら、ミオリネやエラン、あるいはグエルまで含めて、皆、親の所要物のように使われる身であることに理不尽さを感じて、親殺しの反乱を起こすのかもしれない。

まぁ、その方が、老害憎し!の今の世相に合っているのかもしれないけれど。

そこもまた大河内の差配に期待したいところ。

とまれ、次回は、いよいよエラン回・・・かな?

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が大化けしそうなほど好評な、タイトルに隠された2つの理由

2022-10-23 13:18:09 | 水星の魔女
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が、一気に注目株として上昇してきた。

百合だ、はめふらだ、ともっぱらキャラの関係性で盛り上がってきているけど、それはそれとして、物語としても面白いなぁ、と思ってきている。

そしてその仕掛けはタイトルに綺麗にこめられているなぁ、と。

一つは、「水星」であること。

ガンダムに限らず、今までよくアニメに出てきた、火星でも木星でもなく、ましてや太
陽系の外宇宙でもなく「水星」に焦点を当てたこと。

プロローグでも語られていた通り、太陽フレイアにより近い水星の過酷な環境で生存できる身体を得ない限り、人類が外宇宙に自信をもって進出することはできない、という冒険魂が込められている。

要するに今の地球で言えば、超深海の過酷な環境でも生きていけるような人類に「進化」しない限り、宇宙で生きていくことはできない、という見通し。

今までのガンダムが、ニュータイプという精神的オカルトでなんとなくごまかしたり、あるいはSEEDのコーディネーターみたいに、遺伝子操作で超人を作っちゃいました、というような安直な(バイオ)テクノロジー信仰とかでやり過ごしてきたところを、わりとハードSF的に、その「進化の過程」を示す方向に舵を切った。

その「人類の進化」のための、過酷な環境として選択されたのが「水星」だった、ってこと。

つまり、水星は、植民先の火星や資源採掘先の木星とは異なり、最初から「過酷」だからこそ選ばれた。

なぜなら、ヴァナディーズ機関代表のカルド・ナボ博士は確信していたように、その水星の過酷さこそがGUND-ARMの開発のために必要だったからだ。

このカルドの開発思想として選択されたのが、人間と機械の接合という、コンセプトとしては古いけれど、2020年代現在、むしろ現実味を増している開発方向だった。

つまり、遺伝子操作よりも、人間の機械化の方を優先する思想。

その典型がスレッタの母プロスペラの右手の義手ということ。

プロローグで描かれていたように、プロスペラはGUNDの実験担当者として、試験機であるガンダム・ルブリスの起動を試みていた。

もっとも、彼女までは機械工学ベースの開発が中心だったようだが、幼児のスレッタが、いきなりルブリスを稼働させてしまったことを踏まえると、水星という生育環境がすでに、子どものスレッタの身体に何らかの適用を迫っていて、その結果、ルブリスの稼働をなしてしまったようにも見える。

つまり、バイオテクノロジーによってGUNDフォーマット理論をセカンドステージに上げさせる可能性が、スレッタという成功事例によって示唆されている。

第2話でプロスペラが、評議会に語っていた「エアリアルは(封印された技術である)ガンダムではない」というのは、そういう意味なのかもしれない。

むしろ、スレッタの頭脳や身体に合わせて開発されたのがエアリアルで、その意味で、エアリアルも、スレッタ同様、成長するAIなのかもしれない。

ここでちょっと脱線すると、プロローグの顛末を見ると、このエアリアルの「成長するAI」の雛形になったのは、プロローグでスレッタたちを守るために亡くなったスレッタの父ナディム・サマヤなのかもしれない。

あるいは、カルド・ナボ博士の脳配線データ、という可能性も捨てがたい。

脱線ついでにもうひとつ書いておくと、すでにガンダム名の専用搭乗機をもつエラン・ケレスは、ガンダムのお約束的に言うと、強制的にGUND-ARMとの適合を図られた、いわゆる「強化人間」枠のようにも見える。

つまり、人工的に作られたスレッタ、ということ。

場合によっては、デザイン・チャイルドなのかもしれない。

そう考えれば、エランが、自分は人間には関心を持ちえない、と触れ回っているのも理解できる。

エラン自身、自分がガンダムに登場するためだけに(彼のスポンサーであるペイル社によって作られた)人造人間であることを自覚しているからかもしれない。

と、ここまで書いてふと思ったけど、もしかしたら、そもそもスレッタ自身が、水星でカルド・ナボ博士によって「調整」されて生まれたバイオテクノロジーの産物なのかもしれない。

プロローグでの、スレッタの家族の描写は、物語的には盛大なミスリードであったということ。

そうひねくれた見方をしてしまうのも、シリーズ構成・脚本を担当したのが大河内一楼からなのだけどw

ともあれ、本作については「水星」が重要な意味を持つ、というのが今までのガンダムとは異なりユニークなところ。

実は、太陽系のうち、地球の外側の星ではなく内側の星に向かったところには、比喩的には、より「心の奥底」である「内宇宙」に向かったことも意味しているように思えるのだけれど、つまり、『メイドインアビス』的な意味合いも込められているように思っている。

こちらは、物語の終盤で、象徴的に意味を持ってきそうなものだけど。


で、もう一つのタイトルのキーワードだけど、それは、「魔女」であること。

魔女とは、禁忌を犯す存在であり、これまでの常識を覆す存在である。

それにはジェンダーとして、現状の世界を統べる男性ではなく、女性があてがわれていた。

よく知られるように、西洋中世において、魔女=ウイッチとは、必ずしも女性のことだけを意味しておらず、男性のウイッチもいた。

つまり、魔女とは、現在の秩序の破壊者を象徴している。

で、そう思うと、いきなり第1話のラストで、ミオリネに「水星ってお硬いのね」と言わせて、同性婚もありの未来世界を匂わせたことも理解可能となる。

破壊者の筆頭は、魔女というように本作においては「女性」だけれど、その魔女という存在は、必ずしも女性というジェンダーに左右されるものではないこと。

であれば、第3話ラストで、グエルがスレッタにまさかの求婚をしたのも理解可能。

彼は彼で、自分を認めてくれる相手とともに、今の体制を「ぶっ壊す」側に映っていくのだろうし。

というか、学園のスレッタの同級生たちの多くはそちら側につくのだろうな。

なにしろ、このミオリネ父による独裁国家的企業グループが、宇宙に出ていく際に有益なあり方とは思えないから。

もっとも、この点は、今後、もっと具体的に、しかもエグく描かれていくのだろうな。

なにしろ、大河内一楼がシリーズ構成なのだから。

大河内一楼という「崩し」の巧者の安定感は半端ない。

大河内は、また父殺しが好きだから、きっと終盤では、スレッタが、母プロスペラと敵対する展開もあるのだろうな。

なにしろ、スレッタのバディはエアリアルだからね。

シェークスピアの『テンペスト』では、魔女プロスペローの使い魔である大気の精霊がエアリアルだからw

スレッタがエアリアルをプロスペラから奪い取る動きはきっとあるはず。

とまれ、まだまだ思いつくことは多いのでまた次回。

ホント、久しぶりに大河内一楼っぽい作品で笑えるw


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SPY×FAMILY 第16話 『ヨル's キッチン/情報屋の恋愛大作戦』 感想

2022-10-23 01:05:53 | SPY×FAMILY
前回までの3話がまとまった一つの中篇エピソードだったのに対して、今回はオムニバスの短篇が2本、並んだ感じ。

といっても、大半は前半の方の、ヨルさんが、ロイドとアーニャのために料理を頑張ったってほうw

いわゆる料理が壊滅的な残念女の称号を変えるべく、頑張ったものの、なかなかうまくは行かずw

にしても、普段はつっけんどんなカミラが、ちゃんと助け舟をだすところが素朴にいいw

ヨルとユーリの家庭事情を理解しながら、それならお母さんが存命だったときに作ってくれた料理は?ってヒントを出して、さらに出身地を聞いて隠し味のサワークリームまでとりだしてくれて。

なんだ、カミラ、いいやつじゃんw

こういう風に、よくよく見れば、世界は善人で溢れている、というのは、姑息だけどいいよねw

おかげで、この母が作ってくれていたシチューを振る舞うことで、ロイドもアーニャもニンマリw

もっとも、その後のヨルさんオリジナルの「何か料理されたもの」では、いつも通り、ロイドもアーニャも撃沈していた、というのは、まぁお約束w

一応、ホッコリするネタだった、ってことでw

あ、情報屋の方の話は、なんか尺合わせに使われただけのようなものだったw

まぁね、今回は、箸休め回だった、ってことで。

次回あたりから、また次男ダミアン攻略戦が始まるみたいだけどね。

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