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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

無職転生 II 〜異世界行ったら本気だす〜 第24話 『嗣ぐ』 感想2: 原作と比べていかにアニメ制作陣がルーデウスの変態性に固執しているのか、よくわかる2期だったw

2024-07-04 13:24:45 | 無職転生
感想1からの続き)

とりあえず2期が終わって、さすがに3期までは時間があるだろうと思ったので、ためしに、2期の終わりからの続きとして、原作の13巻を読んでみた。

で、結構、驚いたのは、原作のほうが、変態の描写がマイルドであったこと。

いや、もちろん、ルーデウスは本質的に変態なんだけど、その変態ぶりが、まぁ、こういうどうしようもない奴っているよね、というくらいに抑えられていてビックリ。

だいぶ、印象が違う。

それは裏返すと、アニメ制作陣は、相当ルーデウスの「変態性」に執着していて、好きあらばその変態性を際立たせようとしていることになる。

で、その「変態性」を強調するアニメの仕掛けは色々とあるのだけど、やっぱり、一番大きいのは、「前世の男」にCV杉田を起用して、ルーデウスのCV内山と発言に明確な区別をつけたことに思えた。

なぜなら、原作を読む限り、ルーデウスが「前世の男」の経験から自問自答しているところも、普通にルーデウスの声で考えているように読めるから。

具体的には、シルフィやロキシーなど作中の登場人物と対話している場面と、そうした対話の間で、語り手であるルーデウスが、地の文で自分の考えを示すところがあるのだけど、そこで、対話と地の文のルーデウスの声に違いがあると思わせるような「区別」はなにもない。

つまり、ルーデウスと前世の男は、原作では、普通に一体化している。

『転スラ』のリムルみたいな感じ。

リムルが転生前の記憶に頼って思考するときにわざわざ転生前の三上悟の声で施工したりしてないでしょ? あれに近い。

だから、『無職転生』の原作では、ルーデウスの声=人格のまま、前世の男のときの経験を反芻しているように読めるから、無用な気持ち悪さを感じることはないし、感想1にも書いたように、前世の男がルーデウスというアバターを操作している、という感じもしない。

むしろ、前世の男がルーデウスとして経験し成長していることが素直に描写さている感じ。

対して、アニメの場合は、前世の男が杉田ボイスで執拗に存在を主張するので、ルーデウスという人格が借り物に過ぎず、前世の男の本質は変わらないように思えてしまう。

これは、やっぱり失敗だったと思うんだよね。

だって、ルーデウスの変態性が、前世の男から引き継いだ悪癖というやんわりとしたものではなく、前世の男を形成する核、というか、ルーデウスの本質、のように思えてしまうから。

この差は大きい。

つまり、ルーデウスは成長しているようで、実は成長していない、というか、成長を拒んでいるように、杉田ボイスが介在することで感じてしまう。

だって、第二の自分であるルーデウスを、超越的視点から眺める前世の男が強固に存在し続けているように思えるから。

ほんと、リムルのように、前世に触れるところもCV内山で押し通せば、ルーデウスの変態性も随分和らいだろうに。

でも、どうやら、アニメ制作陣は、「変態性」こそが『無職転生』の本質であると思ってしまったようで、執拗に下着とか性交とか、一般に下ネタと呼ばれるものの描写に執着してしまった。

しかも、その描写を、比較的作画の良いリアリスティックなファンタジーの中に入れてしまったから、嫌でも変態性の部分が際立つようになってしまった。
だって、変態なところも、執拗に描きこむのだもの。

要するに、とてもバランスの悪いものになった。

これが、それこそ「スマフォ太郎」のような、よくあるなろうのダメな作画でやっていたら、もっとマイルドな、ペラペラな変態性の描写になって、はい、ここは笑うところです!くらいの感じで、流すことができたのだろうけど。

ある意味、『チェンソーマン』がアニメで大コケしたのと似たような理由だったということ。

制作陣の原作への愛が生み出した強調点が、普通の視聴者の嗜好や期待とずれてしまった。

そういう感じかな。

ちなみに、原作そのものは、上述のように、それほど記述が不快なわけではないので、ぼちぼち読んでみようかな、と思っている。

そういう意味では、3期以降は、だいぶまともな冒険ファンタジーの要素も増えてきそうなので、もしかしたら、2期までよりもマシなものになるかもしれない。

最初から原作の全部をアニメ化するという触れ込みだったから、後半の冒険ファンタジーから逆算して、ああいう無駄に作画が悪くないものとしてスタートさせたのかもしれないけれど、その結果、前世の男がやたらと前世の自分を悔いる場面とか、とはいえ前世から引き継ぐ変態趣味のところまで、無駄なリアリズムで描写されることになって、一般死傷者の忌避感を喚起した、ってことなんだろうな。

難しいねぇ、原作ありきの作品のアニメ化はw

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【推しの子】 第2期 第12話 『東京ブレイド』 感想:  いいね~、いきなり原作者の不穏な発言で終わる引きはw

2024-07-04 12:12:04 | 推しの子
いやー、やっぱり上手いね、アニメ制作陣!

久しぶりの2期の冒頭を、『東京ブレイド』のキャラ紹介として、アクアやルビー、かなやあかねといった主要キャラの紹介をさらっと行って、次に進めるのはw

しかも、2期なのに2期と感じさない、いきなり舞台稽古から入るのだから。

静かな立ち上がりだったのに、姫川とかなの殺陣でぐっと動きに凄みをつけるのも上手い。

いやー、見せ方よくわかってるなぁ。

で、その様子を、劇団ララライの舞台女優であるあかねが、自分の稽古へのフィードバックとして解説していくのだから、ほんと良く出来てる。

アクアとの対話も自然な流れだし。

あかね → アクア → かな という視線の流れも一瞬で三角関係らしきものの存在を示唆するしw

いや、2期第1話としてはパーフェクトだよw

しかしなぁ、ここで看板俳優として出てきた姫川が、まさかあれほど重大な存在になるとは思わなかった。

1期を見ていたときは原作を読まずに、そのまま楽しんでいたけど、1期が終わってから原作に手を出して、最新話(154話)まで読んでいるから、今度は、あの原作をこう表現するのか、という感じに楽しめるのが素晴らしい。

やっぱり、白黒のマンガがカラーのアニメで動くのって、全然印象が異なるよね。

あかねやかなの百面相がより強調されるw

ということで、実に静かにスローな感じで2期が始まった。

このゆっくりモードで始まった芝居稽古が、このあと、原作者の介入で、どんどん修羅場になり鉄火場になっていく。

その恐慌ぶりが見れるのが楽しみだなぁ。

もちろん、アクアとかな、あかねの三角関係もねw


あー、そうそう、わかっていたことではあるけど、OPもEDも1期のものにまったく及ぶべくもない出来で、正直、意気消沈。

まぁ、YOASOBIのOPは別格としても、1期のEDの印象も強くて。

毎回、物語の引きをあのEDがキレイに受け止めるのが心地よくて、個人的にはEDのほうが刺さっていたなぁ。

そういう意味では、OPもEDも逆に狙いすぎで。

まぁ、どちらも、東京ブレイド、という舞台にあわせてああいうふうになったのだろうけど。

対して1期のときは、OPもEDも、『推しの子』の世界観を現していたから、そもそもスケールが違うんだけどね。。。

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【推しの子】 第154話 『15年の嘘』 感想: うーん、しかし、神木輝は本当に、アイの殺害を手引した黒幕だったのだろうか?

2024-07-04 11:59:57 | 推しの子
前回から続くアクアと神木のやり取り。

おおー、そう来たか、というのが読み終わっての率直な感想。

なるほど、真相は「15年の愛」だったわけか。

アイの「嘘」は「愛」のことだった。

だから、「15年の嘘」とは「15年の愛」のこと。

それをアイはアクアには告げて、その審判をアクアに預けた。

だから、映画『15年の愛』を製作した。

となると、アクアだけでなく、監督も、このアイのメッセージは見ていたんだろうなって思うけど、どうなのだろう?

一方、外でアクアと神木の会話を聞いていたルビーは、知らなかったのかな?

あれ、でも、ルビーへのDVDもあったんだっけ?

だとしたら何が書いてあったのか、気になる。

アイとしては、生まれてくるアクアとルビーを神木の重荷にしたくなかったので、別れ話を出したのだけど。

なるほどねー。

でもさ、確か、アイは、殺させる少し前くらいに、アクアたちの父親と思しき人間に電話をかけて、一度、会わない?って話をしていたよね?

その時の相手って、神木だったのかな?

だったら、神木が良介くんにアイを脅すように仕向けていたのを取り下げることもできたんじゃないの?

となると、実は疑問なのは、あの時、アイが一度子どもたちにも会ってよ、と電話していた相手は、神木だったのかな?ということ。

何が言いたいか、というと、本当に、アイの妊娠した相手は神木だったのか?ということ。

ここ、実は、アイの自己申告でしかないよね?

実は、本当の父親は、神木の他に、いるんじゃないの?

それに、良介くんは、アイだけじゃなく吾郎もころしているわけだよね?

それも辻褄が合うのだろうか?

実は、その良介くんを神木に会うよう手配した人物がいるんじゃないの?

つまり、本当のアイの殺害者は、神木ではないのではないか?

実行犯が良介くんだったから、神木は自分が殺害を幇助したと思ってしまっているのかもしれないけれど、実は、真の黒幕がいるのではないか?

いやまぁ、今回の話だと、そこまで考えるのはさすがにやりすぎじゃないか?と思うところもあるけれど、

でも、こんなアイの残したメッセージで、すべて解決!なんてことはさすがにないよね?

やっぱりそこには、吾郎が殺されてアクアに転生したのはなぜか?というのも関わっていると思えるのだけど・・・。

邪推といわれようと、もう一枚、裏に何かがあると信じたい。

ていうか、そうでないと、ミステリーにならないじゃん。

まだ、かなもあかねも元気じゃないか?

あー、でも、神木がその後、女優の殺害を繰り返しているのは事実だから、神木は自白によって、殺人の罪で裁かれるのかもしれないけれど。

いずれにせよ、ちょっとこの先、どうなるのか、微妙にわからなくなってきた。

いやー、だって、そんな単純な結末では、さすがにないよね?!

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