クレタ島イラクリオンにあるヴェニゼロス(1864~1936)の像です。彼はこのクレタ島の出身です。かれの一生は波乱万丈でした。今もギリシアでは敬愛されておりアテネの空港には彼の名前が付けられています。
2007年5月1日で何故トルコ領エフェソスなのかについてすこし触れましたが、その玄関口クシャダスの港に下り立ったとき面白い物を見つけました。(写真)そうなんです”、When in Turkey ***Do what most Turkish people do.” と書いてありました。直訳すれば「トルコに居るときは、多くのトルコ人がするようにしなさい」日本の諺で言えば「郷に入れば郷に従え」となるのでしょうか。普通ならば” Welcome to Turkey”「トルコへようこそ」だと思うのですが。
そこで今回は私流にこの謎解きをして見ます。この謎解きのキーワードは「ギリシアとトルコは犬猿の仲」と思います。添乗員の稲葉さんが面白い話しをしてくれました。煮出しのトルココーヒーは有名ですが、全く同じものがギリシアのもあります。そこでギリシアでトルココーヒーをくださいというと突然不機嫌になりそんなものはありませんというそうです。
不和の原因はどこかの国と同じように歴史問題があります。1453年にオスマントルコがコンスタンティノープル(現イスタンブール)を占領して以来1830年に独立するまでギリシアはトルコの支配下にありました。しかしその後もエーゲ海の島々はギリシア領土ではありませんでした。そこでトルコが第一次世界大戦で敗北したのをきっかけとして大ギリシア主義を掲げたヴェニゼロス(次ページの写真)に率いられたギリシア軍が現トルコ領エーゲ海沿岸の地域(エフェソスの近くのイズミールなど)を占領してギリシア領にしようとしました。そのときこのトルコ亡国の危機を救ったのがトルコのケマルアタチュルク(その後新生トルコの初代大統領)でヴェニゼロス率いるギリシア軍を打ち破ります。長くなりそうなので次回へ。