伊藤さんから興味深くほのぼのとした初恋物語の寄稿文が入りました。なお写真は話の中のムハンマドの結婚式のではなく今回イエメンのサナアというところで偶然出会った時の結婚式(男女別々)だそうです。
イエメンでお世話になったガイドのムハンマドの話。
彼は32歳で物静かなおんこうな青年で奥さんとの間に5人の子供がいる。イスラム圏にいくとお客さんはムスリムの結婚とかにすごく興味をもつので彼に結婚のいきさつを話してもらった。 彼の奥さんは、幼馴染。 幼少のころはよく一緒に遊んだ。とてもかわいい女の子でその思い出はずっとムハンマドの胸のなかで生きていたそうです。 イエメンでは小学校に上がるころには、兄弟以外の異性は一緒に遊んだりすることはなくなる。ムハンマドはいつしか彼女と一緒に遊ぶことはなくなったそうです。 小学校にあがると彼女はアバヤという身体をすっぽりとおおう服をきて顔にはスカーフをつけるようになりムハンマドは彼女の顔を直接見ることはなくなった。
時が過ぎて彼が一人前になり独立して結婚を考えるようになるとすぐに思い浮かんだのが彼女だった。 しかしもう20年近く彼女の素顔を見ていない、、、大きくなって変わってしまっていたら、、、彼はちょっと不安になった。そこで彼は一計を案じる。 妹に頼んで彼女のいまの素顔がどんなか確かめてもらうことにした。
妹は、彼女が通うハマム(共同浴場)にいきさりげなく彼女の姿をたしかめてムハンマドに話した。ムハンマドの心配は、結局杞憂で彼女はとても美しい大人の女性になっていた。 そこでムハンマドは、彼の母親にそろそろ妻を迎えてひとり立ちするときがきたこと、彼には意中の人がいることを伝えた。 そして母親は彼女の家に赴き、息子の現状(息子がどんなに立派に成長したか、また彼の現在の経済状況)を説明したあとムハンマドの意向を伝えた。 彼女の母親は、彼女にムハンマドの話をした。 彼女もムハンマドと一緒にすごした幼少の思い出を大事にしておりムハンマドと一緒になりたいと母親に伝えた。 ここまでのいきさつを両家の父親も追認した。 ムハンマドと彼女は晴れてみんなから祝福されて一緒になることができた。
(写真は) イエメンの結婚式の様子。結婚式は男女が席をあわせることがない。