トルヒーリヨの街を歩いている時ふと店を覗いて見るとゲバラ(注)の絵が描かれているTシャツを見ました。それを写真に撮って現地ガイドに見てもらい、「知っていますか」と尋ねてみました。彼女の返事は「良く知っていて尊敬している。特に夫は」でした。したがって「ファン・カルロス」への尊敬はありませんでした。「無原罪懐胎」に対してもきっぱりと否定しました。カトリック教徒ではないとのことでした。Lonely planet(p59) によれば人口の6%が無神論者です。
この「無原罪懐胎」についての質問に対して同行の二人の方から嘲笑的批判をいただきました。一つはそんな質問に真面目に答える人はいないというものでした。しかし現地ガイドの答えはかなり真摯だったように感じました。大体4分の3ぐらいの人が肯定的でした。「勿論信じます」から”so so”(チョボチョボ)までの答えがありましたが。もう一つの批判は日本人的無神論的立場からの批判と思われる、「そんなバカなことを信ずる人が今の時代にいるわけが無いから全く無意味な質問」だというもののようでした。アメリカ合州国の多くの人が聖書の「天地創造説」を信じており、かれらがブッシュ前大統領の政治的基盤だったということを考えてみるだけでこの批判は当たらないと思います。
なお、「毎日曜日に教会に行きますか」の質問にはただ一人「仕事がその日に無い限りは」という1人以外は全員が否定でした。 スペインでは1978年に憲法上で国家と教会との分離が定められました。しかし、カトリック教会は国家から財政上の援助を受けています。その点で他宗派から差別だとして批判があります。書類上は80%の人がカトリック教徒ですが定期的にミサに行く人は20%ということです。 写真はトルヒーリヨの現地ガイドです。
(注)ゲバラについては2007年2月18日と2007年7月4日に少し触れていますので参照ください。