こんなにも悲しく、はらはらと涙を落としたことがあっただろうか。
人を迎え、見送り幾度と無く繰り返してきたけれど、こんなに静かに落とす涙を経験した事が無い。
そこには、激しい感情があったしからわぁわぁと涙を落とし泣き声をあげていたように思います。
若かった事もあるし、その故に感情が波立ちあわ立ち、時には煮えたぎったかもしれない。
こんなにも静かな悲しみがあるのを知らなかった。
「母さん」の経てきた介護は私にとっては壮絶とも思えるものでした。
おそらく彼女は壮絶などと言って欲しくないとおっしゃる事でしょう。
彼女は、そのときそのときを誠実に選択してきたらこうなったのだと言うでしょう。
ほんとに、頭が下がります。
ここで、静かに彼女の事を思い、生前の「なかちゃん」の事を思い出し、そしてご家族の事を思っています。
そして、私にとってもこの節目を静かに考える事もいたしましょう。
いろんな後悔が頭をもたげてきますが、過ぎた事を思うより、これからの事を私らしく過ごす事を考えます。
「母さん」ご苦労様でした。今度は、あなたの体に優しくしてあげるときが来ましたよ。